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【平成30年中小企業診断士1次試験の科目別難易度】TACの正解率・LECの分野別講評・資格の大原の総評で検証

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中小企業診断士第1次試験を受験したみなさんこんにちは!

いかがお過ごしですか?

出来はいかがでしたでしょうか?

楽勝で合格ラインの420点を超えましたでしょうか?

 

各資格学校のコメントによると、今回の1次試験において「経営法務」の難易度が高すぎて、足切りになった受験生が続出しているとのことです。

その流れで、過去何回か行われたことがある合格基準の弾力化(得点調整・救済措置)が今回も行われるのかどうか各方面で喧々諤々議論されています。

ちなみに協会の公式サイトでは、第1次試験の合格基準として・・・

(1)第1次試験の合格基準は、総得点の60%以上であって、かつ、1科目でも満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。

(2)科目合格基準は、満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。

となっています。 

 

今回の1次試験に対する得点調整のポイントは・・・

(1)経営法務の合格基準の弾力化が行われるか否か?

(2)経営法務の合格基準の弾力化が行われた場合、4点加算か?8点加算か?

(3)合計点の60%以上という合格基準が59%に調整されるか?

この3つに絞られそうです。

 

そこで今日は中小企業診断士1次試験関の科目別の難易度を知るために、TACデータリサーチの正解率とLECの分野別講評と資格の大原の総評をまとめます。

今年1次試験を受けた方、来年以降1次試験を受ける方の参考になれば幸いです。 

 

 目次

 

 

 

経済学・経済政策

◎TACの正解率(解答欄は当ブログの実際の解答です。)

題番号

解答 正解 判定 正解率
第1問
 
 
39.1 %
第2問
 
 
× 63.8 %
第3問
 
 
66 %
第4問
 
 
59.3 %
第5問
 
 
× 63.9 %
第6問
 
 
39.8 %
第7問
 
設問1
83.8 %
第7問
 
設問2
82.8 %
第8問
 
設問1
69.7 %
第8問
 
設問2
× 68.6 %
第9問
 
設問1
54 %
第9問
 
設問2
56.6 %
第10問
 
 
66.9 %
第11問
 
 
46.7 %
第12問
 
 
66.4 %
第13問
 
 
79.8 %
第14問
 
 
× 42.6 %
第15問
 
 
83.2 %
第16問
 
 
59.7 %
第17問
 
 
74.2 %
第18問
 
設問1
65.1 %
第18問
 
設問2
× 45 %
第19問
 
 
79.7 %
第20問
 
 
33 %
第21問
 
 
52.9 %

 

◎LECの分野別講評

1.時事問題

第1問と第2問は、データを扱った問題である。どちらもそれほど難しい問題ではないため、2問とも正解するのは困難かもしれないが、どちらか1問は正解してほしい。事前の対策は困難であるが、日ごろのニュースなどに目を通していれば、少なくと もどちらか1問は正解できたのではないかと思われる。

2.マクロ経済学

ほとんどが基本レベルの問題である。第3問(景気動向指数)については、難しかったかもしれないが、用語の意味をその場 で考えていけば、正解することは可能であろう。全体的には、過去に出題されたテーマばかり出題されていたので、過去問や 答練をしっかりと復習してきた受験生にとっては、高得点をとることができたであろう。例えば、第4問の物価指数の計算なども、 過去に出題されているので、十分に正解できる問題である。なお、毎年のように出題されていたIS-LM分析が今年は問われな かったが、第5問のGDPの概念や第6問のISバランス論、第7問の45度線分析、第8問のAD-AS分析、第9問のIS-LM-BP分析、 についてはすべて基本レベルの内容であり、十分に正解できる問題である。

3.ミクロ経済学

マクロ経済学と比べると少々難しい問題が多いが、全体的には見れば、正解できる問題が多かったと言える。第10問の生産者余剰の内容は、本質を理解していなければ解けないので難易度は高い。また、第11問の中古品の市場は、過去にまったく 出題されたことがない論点であるので、正解するのは難しい。第12問の需要の価格弾力性、第13問の独占市場均衡は基本問 題である。第14問の最低賃金制度については、少々難しかったかもしれないが、正解できないわけではない。少なくとも図を見 たことがある受験生は正解できたであろう。第15問の課税、第16問の外部性は基本問題である。第17問のエンゲル曲線は、 初見の受験生が多かったと思われるので、その意味では正解するのは困難であったと思われる。第18問の費用最小化問題 については、最近でも出題されているので、過去問を復習してきた受験生にとっては、設問1は正解できたのではないかと思 われる。ただし、設問2は、難易度が高いので正解するのは困難であると思われる。第19問の費用曲線は、基本問題である。 第20問の国際貿易については、難易度は高いが、過去にも同様の論点が出題されているので、過去問をしっかりと復習してき た受験生は、正解できたかもしれない。また、正解の選択肢自体は基本レベルの内容なのでその意味でも正解できた受験生 は多かったと思われる。第21問のゲーム理論は、基本問題である。

 

◎資格の大原総評

平成30年度 中小企業診断士第1次試験

A 経済学・経済政策

平成30年度の本試験は、過去17年間の設問数と同じで25問であった。難易度については、前年度と同様に、 簡単に得点できる問題も多く、全体的な難易度は標準レベルであるといえる。よって、今年の問題は、過去 問題を軸に演習をしっかり取り組まれた方にとっては、合格ラインの60点は確保できたものと思われる。本 科目は、マクロ経済学、ミクロ経済学から出題されており、今年度は解答数ベースで、マクロ経済学12問、 ミクロ経済学13問であった。

第1問~第9問がマクロ経済学からの出題問題と考えられる。例年見られる統計資料をもとにした出題が2問あった。基本的な論点に関する問題として、第4問(物価指数)、第5問(GDP)、第7問の設問1 及び設問2(45度線分析)、第9問の設問1及び設問2(マンデル=フレミング・モデル)で得点を取りた い。第3問(景気動向指数)、第8問の設問2(AD-ASのシフト)も正答したいところである。

第10問~第21問がミクロ経済学からの出題問題と考えられる。微分を用いる計算問題などは出題されず、 頻出論点を中心に、基本事項やその応用問題が出題された。基本的な論点に関する問題として、第12問(需 要の価格弾力性)、第13問(独占市場)、第15問(課税負担)、第16問(外部不経済)、第19問(費用曲 線)、第21問(ゲーム理論)で得点を取りたい。第11問(価格がマイナスになる財)は、頻出論点ではない ため正答出来なくても問題ないであろう。第18問(等産出量曲線と等費用線)については、通常の無差別曲 線と予算線の関係と同じ考え方で対応すれば得点できる問題であるが、実際には難しかったであろう。また、 第20問(自由貿易地域)については、難しい論点であるが、同様の問題が過去に2度出題されている。過去 問題をしっかり取り組んでいた方は、正解できたものと思われる。

 

 

財務会計

◎TACの正解率

問題番号 解答 正解 判定 正解率
第1問
 
 
24.1 %
第2問
 
 
× 68.2 %
第3問
 
 
41.5 %
第4問
 
 
51.8 %
第5問
 
 
58.8 %
第6問
 
 
41 %
第7問
 
 
37.1 %
第8問
 
 
× 12.2 %
第9問
 
 
47.4 %
第10問
 
 
64.9 %
第11問
 
設問1
82.5 %
第11問
 
設問2
66.6 %
第12問
 
 
× 54.2 %
第13問
 
 
50.5 %
第14問
 
 
× 37.5 %
第15問
 
 
× 31.4 %
第16問
 
 
× 56.4 %
第17問
 
 
69.5 %
第18問
 
 
× 57.7 %
第19問
 
 
57.1 %
第20問
 
 
× 20.4 %
第21問
 
設問1
50.7 %
第21問
 
設問2
72.3 %
第22問
 
設問1
× 19 %
第22問
 
設問2
× 23.3 %

 

◎LECの分野別講評

問題構成は22問(25小問)であったが、1マークにつき4点という配点は変わらずであった。

(1)アカウンティング(第1問~12問)

例年並みの難易度と思われる。

第1問(伝票)や、第2問(有形固定資産)は取っておきたい。第10問(財務比率分析)、第11問(CVP)、第12問(CF計算 書)で取りこぼすと厳しい状況に陥るであろう。基本論点をきちんと押さえ、計算練習を積み重ねておくことが大切である。

(2) ファイナンス(第13問~23問)

やや対応が難しい問題が含まれ、昨年に比べ難易度は上がった。

第14問(デリバティブ)、第19問(外貨建取引)、第20問(市場の効率性)、第22問(投資の経済性計算)等が難しく、診断士 テキストレベルの知識では対応できない応用的な論点が出題された。第15問(コールオプション)、第17問(投資ポートフォリ オ)、第18問(期待収益率)等の取れるところでどれだけ得点を確保できたかにかかっているだろう。

 

◎資格の大原総評

平成30年度 中小企業診断士第1次試験

B 財務・会計

平成30 年度の本試験は、問題数は22 題(昨年25 題)、設問数は25 問(昨年25 問)であった。昨年度 は1題当たり1設問の出題のみであったが、今年度は2設問の問題が3題出題されており、例年どおりの出 題形式であった。

出題内容は会計(財務会計・管理会計等)12問(昨年13 問)、財務(ファイナンス)13 問(昨年12 問) であり、こちらも例年どおり偏りのない出題傾向であった。ただし、出題論点を考慮すると、全体的な難易 度は昨年度よりも難しくなっており、平均点は例年より低い水準になるものと予想される。したがって、今 年度はこの科目で合格基準点である60 点を上回ることは難しかったものと思われる。

出題のパターンとして、計算を必要とする問題は12 問(昨年12 問)であり、例年並みであった。このう ち、比較的計算しやすい問題で得点を積み重ねられたかが重要となる。特に、第4問、第7問、第10 問、 第11 問(設問1・設問2)、第13 問は得点していただきたい問題である。これら以外では、第2問は、期 中に建物を売却する場合の減価償却の取扱いに気付くことができれば得点が可能であった。第18 問では、 標準偏差と相関係数が与えられていたが、収益率に関する内容が問われているため、単に資産A、Bの期待 値の加重平均で考えれば良いことに気付くことができれば得点が可能であった。

一方、計算を必要としない問題も例年並みの13 問(昨年13 問)であり、これらの問題については、得点 しやすい問題とそうでない問題とをしっかり区別して、得点できる問題について、いかに短時間で確実に解 答できたかが重要となる。特に、第12 問、第21 問(設問2)、第22 問(設問1・設問2)は得点してい ただきたい問題である。これら以外では、第17 問は、難しい論点であるが、類似の論点が昨年度および一 昨年度に連続して出題されているため、過去問題をしっかり取り組んでいた方は、正解できたものと思われ る。

 

 

企業経営理論

◎TACの正解率

問題番号 解答 正解 判定 正解率
第1問
 
 
74.1 %
第2問
 
 
76.5 %
第3問
 
 
83.1 %
第4問
 
 
28.3 %
第5問
 
 
68.6 %
第6問
 
 
73.2 %
第7問
 
 
39.4 %
第8問
 
 
74.1 %
第9問
 
 
× 21.7 %
第10問
 
 
× 29.8 %
第11問
 
 
× 9.4 %
第12問
 
 
78.8 %
第13問
 
 
79.4 %
第14問
 
 
× 29.1 %
第15問
 
 
× 29 %
第16問
 
 
× 17.3 %
第17問
 
 
48.7 %
第18問
 
 
76.5 %
第19問
 
 
× 33.3 %
第20問
 
 
× 27.5 %
第21問
 
 
73.6 %
第22問
 
 
33.3 %
第23問
 
 
× 52.6 %
第24問
 
 
69.2 %
第25問
 
 
× 35.6 %
第26問
 
 
63.5 %
第27問
 
 
56 %
第28問
 
 
74.1 %
第29問
 
 
58.9 %
第30問
 
 
× 56.2 %
第31問
 
 
52.2 %
第32問
 
設問1
77.8 %
第32問
 
設問2
× 27.9 %
第33問
 
 
× 23.4 %
第34問
 
 
82.2 %
第35問
 
設問1
× 12.8 %
第35問
 
設問2
70.9 %
第36問
 
設問1
77.8 %
第36問
 
設問2
× 41.4 %
第37問
 
 
× 42.7 %
第38問
 
 
× 24.8 %

 

◎LECの分野別講評

(1)戦略論

戦略論は昨年度と同程度かあるいはやや易化といったところであろう。本年度の出題分野の特徴は、1定番化 していたドメインやPPM、一般的な競争戦略、経済性原理が出題されず、スリー・サークル・モデルや開発手法 といった見慣れない論点が出題された。また、選択肢にもバウンダリー・スパニング等の基本的な参考書では触 れることのない語句も見られた。2長文の問題が多いが、半数以上の問題は落ち着いて取り組めば解けるもの であったので、冷静に対応できれば6割の確保はできたであろう。

(2)組織論

組織論分野は昨年度にくらべ、やや易化した印象である。その理由としては、労働法が比較的得点できたことに よる。本年度の出題分野としては、1(狭義)組織論分野は、数年前の出題に戻った印象である。組織変革の出題がない一方、チーム、モチベーション、リーダーシップ、パワーや組織学習など、5年~10数年前に良く出てい た論点が多い。2人的資源管理分野では、昨今の「生産性向上」「働き方改革」の流れから、組織における個人 の働き易さ、働き甲斐などに関連した出題がされた。初見に近いものが多いが、ある程度対応はできる問題で あった。3労働法規は4題、労働契約(期間)・就業規則・割増賃金・懲戒というほぼ主軸のテーマであった。選 択肢レベルでは対応可能な(適否の判定ができる)ものも多く、2題は正答にたどり着いたと思われる。

(3) マーケティング論

マーケティング論は、かなり取り組みやすかった昨年にくらべると、やや難化した(通常に戻った)印象である。そ の理由としては、受験生にとっては初見となる用語が多く選択肢を絞りにくかったためかもしれない。ただし、癖 のある問題は少なく、ミニケース問題(応用問題)もそれほど多くなかった。内容的には、1単純に理論の意味を 問う内容ではなく、マーケティング施策がどのような効果をもたらすか体系立てて理解できているかどうかで差が 分かれる内容であった。2また、オフラインを通じた施策のみでなく、SNS、スマホアプリなどオンラインを含めた デジタル・マーケティング戦略に関する内容が定着してきたといってよい。

 

◎資格の大原総評

平成30年度 中小企業診断士第1次試験

C 企業経営理論

本科目は、量の面から見ると設問数は41 設問と昨年と同数であるが、難易度は昨年度よりやや易化傾向とい えるであろう。 難易度を決める要因の一つとして、選択肢の数がある。一般的にいうと、4肢択一形式と5肢択一形式の問題 を比較すると後者の方が難易度が上がる。本年の出題状況を見ると4肢択一形式と5肢択一形式の設問の比率 が22 対19 になっており、昨年の19 対22 よりも5肢択一形式の出題数が減少している。 出題の分野別内訳をみると、戦略論が13 設問、組織論が14 設問、マーケティング論が14 設問であり、昨年 度と変化はない。 分野ごとに難易度を見ていくと、戦略論分野は、昨年は選択肢がすべて5肢択一形式であったのに対し、今年 は5肢択一形式が10 問であり、難易度は低下したといえる。出題論点としては多角化、M&A、価値連鎖な ど定番の出題も多くされていたが、第7問、第11 問は判断が難しかったと思われる。 組織論分野は、5肢択一形式の問題は昨年と同様に8問であった。第22 問のキャリア・アンカーや第23 問の ストレス管理等の初出題となる論点も一部で見受けられ、働き方改革等の時事的な問題に関する出題が見られ た。

マーケティング論分野は、昨年度と同様に多くの問題が4肢択一形式の設問であった。第29 問や第38 問等の 初出の専門用語を用いた出題も見られたが、例年並みの難易度といえる。また、第32 問や第35 問や第36 問 等で問題文章を読んで解答する出題も見られたが、例年より文章量も少なく、3分野の中では最も得点しやす かったものと思われる。 以上より、戦略論、組織論は、比較的判断しやすい問題、オーソドックスな論点を確実に得点し、マーケティング論で得点を稼ぐことができたかがポイントとなるものと思われる。

 

 

運営管理

◎TACの正解率

問題番号 解答 正解 判定 正解率
第1問
 
 
53.9 %
第2問
 
 
77.4 %
第3問
 
 
61.3 %
第4問
 
 
58.7 %
第5問
 
 
54.6 %
第6問
 
 
59.7 %
第7問
 
 
65.9 %
第8問
 
 
80.2 %
第9問
 
 
55.3 %
第10問
 
 
46.6 %
第11問
 
 
83.1 %
第12問
 
 
73.8 %
第13問
 
 
68.7 %
第14問
 
 
58.2 %
第15問
 
 
× 40.5 %
第16問
 
設問1
29.7 %
第16問
 
設問2
44.1 %
第17問
 
設問1
62.1 %
第17問
 
設問2
69.1 %
第18問
 
 
× 23.9 %
第19問
 
 
× 29.2 %
第20問
 
 
51.4 %
第21問
 
 
76.4 %
第22問
 
 
× 34.4 %
第23問
 
 
87.5 %
第24問
 
 
78 %
第25問
 
 
88.9 %
第26問
 
 
46.8 %
第27問
 
 
74.8 %
第28問
 
設問1
77.7 %
第28問
 
設問2
67.9 %
第29問
 
 
73.7 %
第30問
 
 
89.9 %
第31問
 
 
60.5 %
第32問
 
 
86.8 %
第33問
 
 
× 47.1 %
第34問
 
 
79.5 %
第35問
 
 
34.1 %
第36問
 
 
× 53.6 %
第37問
 
 
44.8 %
第38問
 
 
35 %
第39問
 
設問1
51.4 %
第39問
 
設問2
× 34.1 %
第40問
 
 
× 44.1 %

 

◎LECの分野別講評

(1) 生産管理

出題内容は、多少、初見の問題は見られたものの、基本事項を確認する例年の傾向と同様で、消去法で正答を選び出せる問題も多かった。ただし、問題自体の難易度は高くはないものの、キーワードが定義する本質まで を理解せずに漠然としたイメージの理解レベルでは、正答を選び出すことが困難な問題も見受けられた。

具体的な特徴点としては、1計算問題(第4,7,17問)は昨年に比べると減少したもの配点としては8点あり、時間 配分への対応も含めて重要な学習ポイントである。これと関連して、定量的分析手法の比重が増している。初見 の問題として、品質管理に関連して検定に関する出題など(第16、18問)があった。また、一昨年まで出題の比重 が高まっていたグラフの読解を要求する問題の比重は低下している。しかし、この形態の出題には今後も対応し ていく必要があると思われる。2IE関連が例年同様出題数が多かった(第8、10、15、18問の計4問:昨年に比較 すると減少)。単純に用語の意味を問うという内容ではなく、実務に即した内容が問われており、対応力が求めら れた。3受験生が苦手とする、材料・技術と環境関連法規の出題がほとんどなかった。関連するものとしては、 マシニングセンターに関する出題(第5問)があったが、これは生産情報システムや生産自動化の延長としての学 習範囲と捉えて良いと思われる。

(2)店舗販売管理

過去の出題傾向と同様、既出の分野からの出題が多く、特に、特定の領域(「物流」)からの出題が多い。一部の問題を除けば、難易度は全体的にはそれほど高くはない。 具体的な特徴点としては、1他の科目とオーバーラップする、初見の出題内容・形式の問題が見られた。たとえば第36問(相関係数)は、「財務・会計」での学習範囲であった。また、流通情報システムで少し専門的な出題(第40問)が見られたが、「経営情報システム」での学習範囲であった。2流通をとり巻く環境に関する出題(法律 や統計など)が昨年に比較すると極端に少なかった。ここが、本年度の取り組みやすさの一要因であった。3リフ ト値などのデータマイニングに関する用語(第39問)に関する出題が昨年に引き続き出題され、データ分析手法 に重点が置かれてきている。 

 

◎資格の大原総評

平成30年度 中小企業診断士第1次試験

D 運営管理(オペレーション・マネジメント)

平成30年度の出題範囲としては、運営管理44問(昨年45問)のうち、22問が生産管理(昨年22問)、22問 が店舗・販売管理(昨年23問)であり、昨年よりも1問少ない問題数であった。さらに、昨年に引き続き、 計算関連の問題が10問(生産管理分野6問、店舗・販売管理分野4問)と多かったことが特徴である。また、 単なる知識や特徴に関する問題だけでなく、昨年同様に、その場で内容を把握し、解答を導く問題もあった ため、制限時間いっぱいを使って解かれた方も多かったと思われる。

全体としては、難度は昨年と同様に高かったと思われ、基本事項に関する問題において確実に正解できた かで得点が左右されると思われる。

(生産管理)

第1問から第20問までの生産管理では、過去17年間の頻出論点であるIE、工場計画、工程管理は、例年 どおり出題された。個別には、第2問、第5問、第9問、第10問、第11問、第12問、第13問、第17問(設問1)、第20問などで得点を取りたいところである。生産管理分野は、1計算的な問題の処理量が多く、時間 的にタイトであったこと、2単なる知識だけでなく、その知識を具体的な事例に当てはめて捉え、試験時間 内で問題要求を把握しなければならない問題も多かったこと等の理由から難しかったと思われる。

(店舗・販売管理)

第21問から第40問までの店舗・販売管理では、過去17年間の頻出論点である店舗関係法規、物流管理など が今年度も出題された。さらに、第39問のマーケットバスケット分析は、3年連続の出題であり、過去2年 間の問題を押さえていれば正答できる問題である。個別には、第21問、第24問、第28問(設問1)(設問2)、 第30問、第31問、第35問、第37問、第39問(設問1)(設問2)などで得点を取りたいところである。ただし、 店舗・販売管理分野の難度は、生産管理分野ほど高くはないが、前半の生産管理分野で時間を取られてしま うと、じっくり考えることができなかったと思われる。

 

 

経営法務

◎TACの正解率

問題番号 解答 正解 判定 正解率
第1問
 
 
× 39.3 %
第2問
 
 
17.1 %
第3問
 
 
× 23.8 %
第4問
 
 
33.5 %
第5問
 
 
70.3 %
第6問
 
 
× 39.8 %
第7問
 
 
35.4 %
第8問
 
 
24 %
第9問
 
 
52.3 %
第10問
 
 
54.8 %
第11問
 
 
55.1 %
第12問
 
 
× 38.8 %
第13問
 
 
43.2 %
第14問
 
 
× 28.6 %
第15問
 
設問1
37 %
第15問
 
設問2
× 34.3 %
第16問
 
 
45.4 %
第17問
 
 
64.5 %
第18問
 
設問1
69 %
第18問
 
設問2
× 18.7 %
第19問
 
 
11.5 %
第20問
 
 
× 15.7 %
第21問
 
 
× 33.6 %
第22問
 
 
89.1 %
第23問
 
 
× 45.8 %

 

◎LECの分野別講評

1 会社法分野

前述の通り、9問(うち、2問が上場、金商法)出題されている。第1問、第2問、第22問は、基本テキストレベルであり、必 達といえる。また、第3問も過去に類題が出題されており(平成27年第17問)、対応は十分可能といえる。第4問~第7問は、 見慣れない問題といえ、びっくりしたと思うが、第5問、第7問は財務の知識も使いながらなんとか対応してほしい。第21問も 知識としては持っていた受験生は少なかったと思われるが、JASDAQが指名委員会等設置会社が一番少ないと予想ができ、 そこから解答の糸口を見つけてほしい。

2 知的財産法分野

前述の通り、9問(特許法1問、意匠法1問、商標法2問、不正競争防止法1問、複数の知的財産法にまたがる問題3問、 パブリシティ権1問)出題されている。全体的に解きやすい問題が多く、この分野で点数稼ぎをしておかなければ、合格点は おぼつかないといえる。第13問のパブリシティ権を詳しく知っている受験生は少なかったと思われるが、常識的な感覚で解 答できたものと思われる。また、第14問のマドプロ出願も国内で商標登録出願が済んでいることから、これを手がかかりに 解答はできたと思われる。

3 その他の分野

前述の通り、7問(英文2問、民法4問、メール送信に関する法規制1問)出題されている。ここの分野もそれなりに解けな いと、やはり合格点は難しい。知的財産法は解き切るとして、会社法分野について自信を持って解けていない場合には、こ こでの出来が合否を分けてしまう。第23問は、きちんと学習している受験生は少なかったと思われるが、何とか常識で解い てほしい。民法は、改正されており、注目度が高いことから、今後も対策が必要といえる。英文の問題は慣れることが大事な ので、過去問や答練、模試で出題された範囲でもよいので、学習しておくことが重要である。

 

◎資格の大原総評

平成30年度 中小企業診断士第1次試験

E 経営法務

平成30 年度の本試験は、問題数は23 題(昨年21 題)、設問数は25 問(昨年25 問)であった。昨年度よりも問題数が増加したものの、設問数は同じであり、例年並みのボリュームといえる。出題内容は、資本 市場へのアクセスを含む会社法関連が8問(昨年7問)、知的財産権関連が9問(昨年9問)、民法・その 他が8問(昨年9問)であった。こちらも例年どおり、偏りのない出題傾向であった。全体的な難易度につ いては、出題論点を考慮すると、昨年度よりも易しくなっているが、昨年度の難易度が高かったことを勘案 すると、結果として例年並みの難易度であったと考えられる。以下、各分野について見ていく。

会社法関連は、第1問~第4問、第6問、第7問、第21 問、第22 問の計8問であった。第2問のような 基本論点の出題も見受けられたが、第3問では株式の相続があった場合に関する知識が必要であり、第4問 では有利発行となる場合を各自で計算した上で判断しなければならないなど、応用的な問題も見受けられた。

知的財産権関連は、第8問~第14 問、第18 問の計9問であった。第13 問のパブリシティ権や第14 問の マドリッド協定以外の問題は、過去に繰り返し出題されている論点や基本的な知識で解答を絞り込める問題 が多く見受けられるため、この知的財産権関連で得点を稼ぐことが重要となる。

民法・その他は、民法4問(第16 問・第17 問・第19 問・第20 問)、英文契約書2問(第15 問の設問1・2)、その他2問(第5問・第23 問)であった。これらについては、幅広い知識が必要とされており、 得点を伸ばすことは難しかったものと思われる。このうち、第5問は財務・会計の知識により解答を絞り込 むことが可能であった。

 

 

経営情報システム

◎TACの正解率

問題番号 解答 正解 判定 正解率
第1問
 
 
× 68.9 %
第2問
 
 
88.5 %
第3問
 
 
28.3 %
第4問
 
 
× 69.8 %
第5問
 
 
× 84.7 %
第6問
 
 
79.7 %
第7問
 
 
84.1 %
第8問
 
 
59.7 %
第9問
 
 
87.4 %
第10問
 
 
88.9 %
第11問
 
 
80.9 %
第12問
 
 
39.5 %
第13問
 
 
55.2 %
第14問
 
 
× 19.8 %
第15問
 
 
× 18 %
第16問
 
 
× 43.5 %
第17問
 
 
67.8 %
第18問
 
 
× 33.4 %
第19問
 
 
× 46.8 %
第20問
 
 
48.8 %
第21問
 
 
× 65.9 %
第22問
 
 
85.5 %
第23問
 
 
58.4 %
第24問
 
 
72.7 %
第25問
 
 
× 51.8 %

 

◎LECの分野別講評

(1)ハードウェア・ソフトウェア

インタフェースや、文字コード、プログラム言語など基礎的な出題であった。このため解きやすい問題であり、十分に点数稼 ぎができる(しなければならない)論点であった。いずれもテキスト内の用語が中心であり、今後も同様の対策で問題ない。(2)データベース・ネットワークSQLが第4問に来るという、問題構成に驚きがあったが、決して難しくはない。ただし、出ないと予想されていた正規化論点の 出題など、意表を突かれる形となった。ネットワーク論点に関しては、これまで同様にオーソドックスな出題となっており、過 去問をしっかりやっていれば解きやすかったはずである。

(3)システム開発

見積技法の、LOC法などの2年連続の出題がされてきているが、出題者の意図はつかめない。おそらく今後の出題はないと 考えられる。またEVMSなども2年連続の出題であり、10年前の本試験論点に戻ってきているような感覚を覚える。(4)システムの運用 多岐にわたる論点からの出題であった。テーマとしては一番点数が取りにくく、失点も多かったと考えられる。ただし、CMMI やEAなど過去に出題があった用語が中心であるため、まったく歯が立たないというほどでもない。やはり過去問学習の有用性が証明された。

(5)IT戦略

時事的な論点がここ数年間目立っており、今年度は「ブロックチェーン」など仮想通貨技術からの出題があった。一方でクラ ウドコンピューティングの論点の出題が減っている。しかし、今後の出題がなくなっていくことは考えられないため、今後も重 要論点として取り扱うべきである。

(6)統計学

例年は、必ず2問の出題があったが、今年度は統計としての出題はなかった。どちらかというと、ゲーム理論からの出題と なっており、柔軟な分野からの出題へと変化したと考えられる。出題分野としては情報処理試験分野であり、基本情報技術者や応用情報技術者で出題される論点を参考にしていると考えられる。

 

◎資格の大原総評

平成30年度 中小企業診断士第1次試験

F 経営情報システム

平成30年度の本試験は、近年の設問数と同じで25問であり、全問4肢択一の問題であった。昨年度に引き 続き、基本的な問題や、正解を絞り込むことができる問題も多かった。今年度は、昨年並みもしくは昨年よ りやや難度が下がったといえるであろう。

おおよそ、前半(第1問~第12問)が情報通信技術に関する基礎的知識で難度が低く、後半(第13問~第25問)が経営情報管理の出題で難度がやや高かった。前半の正解率が合否に深く影響するだろう。

特徴を列挙すると、1時事問題・最新の内容の出題がある、2経済産業省やIPA(情報処理推進機構)、 民間団体等から発行されている各種ガイドラインや指針からの出題がなかった、3確実な知識で正解をしぼ ることのできる問題が今年度も出題されている、4検定などの統計問題が例年2問のところ1問であった、 といったところであろう。正解すべき問題、適切・不適切な選択肢について、基礎知識をフル活用しつつ、 選択肢間の関係も視野に入れて選択・削除できる力が求められる。

(情報通信技術に関する基礎的知識)

頻出している「ハードウェア」、「ソフトウェア」は今回も確実な正解が求められる。第1問(インタフ ェース)、第2問(ソフトウェア)、第4問(SQL)、第6問(プログラミング言語)、第9問(通信プ ロトコル)、第10問(ネットワーク)、第11問(信頼性)は基本問題である。これらの問題と、第5問(ソ フトウェア)、第8問(正規化)は正解したい。

(経営情報管理)

頻出している「情報システム開発」は例年通りの出題数であった。第15問(EDI)、第16問(CMM I)、第17問(RFIとRFP)、第21問(テスト)、第24問(コンティンジェンシープラン)は正解した い。これらの問題と、第23問(ソーシャルエンジニアリング)は正解したい。また、第25問(決定理論)は、 対応が難しかったと思われる。

 

 

中小企業経営・政策

◎TACの正解率

問題番号 解答 正解 判定 正解率
第1問
 
設問1
74 %
第1問
 
設問2
× 47.1 %
第2問
 
設問1
× 68.7 %
第2問
 
設問2
× 17.5 %
第3問
 
設問1
79.1 %
第3問
 
設問2
69.2 %
第4問
 
 
21.5 %
第5問
 
 
69.6 %
第6問
 
設問1
× 47.4 %
第6問
 
設問2
67.2 %
第7問
 
設問1
70 %
第7問
 
設問2
89.7 %
第7問
 
設問3
× 28 %
第8問
 
 
77.4 %
第9問
 
 
× 56.3 %
第10問
 
設問1
× 19.2 %
第10問
 
設問2
× 65.1 %
第10問
 
設問3
71.8 %
第11問
 
設問1
84.6 %
第11問
 
設問2
67.1 %
第12問
 
 
× 9.5 %
第13問
 
設問1
61.1 %
第13問
 
設問2
85.5 %
第14問
 
設問1
93.3 %
第14問
 
設問2
51.8 %
第14問
 
設問3
× 39 %
第15問
 
設問1
× 79.6 %
第15問
 
設問2
74.7 %
第16問
 
設問1
36.3 %
第16問
 
設問2
× 53.6 %
第16問
 
設問3
84.5 %
第17問
 
設問1
88.7 %
第17問
 
設問2
73.9 %
第18問
 
設問1
91.9 %
第18問
 
設問2
91.6 %
第19問
 
設問1
39.6 %
第19問
 
設問2
× 27.2 %
第20問
 
 
× 28.9 %
第21問
 
 
41.1 %
第22問
 
設問1
88.1 %
第22問
 
設問2
62.3 %
第23問
 
 
81.8 %

 

◎LECの分野別講評

(1)中小企業経営分野

例年通り、2017年版中小企業白書からの出題がほとんどであり、本年版(2018年版)からの出題はなかった。ま た、平成28・29年度には小規模企業白書からの出題があったが、本年度は出題がなかった。選択肢にはグラフ や図表の傾向(増加・減少・高い・低い等)を問うものが多く、その分難易度は上昇している。また、白書第1部や 付属統計資料からの出題も多く、細かい推移や傾向が問われたため、自信をもって解答できた問題は少なかったと思われる。

(2)中小企業政策分野

定番の頻出施策を中心とした出題で、事前にしっかりと対策していれば確実に得点できる内容であった。施策の 難易度は平成29年度と同様に易しいレベルなので、ここで確実に得点を積み重ねることができたかが6割以上 得点するポイントだろう。

 

◎資格の大原総評

平成30年度 中小企業診断士第1次試験

G 中小企業経営・中小企業政策

平成30 年度の本試験は、例年通り42 問の設問数であった。出題内容別には、中小企業経営が21 設問、中小 企業政策が21 設問と、こちらも例年通りであった。 全体的な難易度は高くなく、標準的なレベルであると考えられる。

(中小企業経営)

21 設問のうち、ほとんどの設問が『白書』からの出題であった。このうち、『2017 年版中小企業白書』から の出題が17 設問であり、その他の出題が4設問であった。 第1問(中小企業の業況)、第3問(企業規模別従業者数の変化)、第6問(開業率と廃業率の推移)、第8問(起業・創業の実体)、第9問(事業のM&A)など、基本的な問題でしっかり得点できたか否かが合格のカ ギとなろう。

(中小企業政策)

21 設問のうち、一部は出題されたことのないテーマも取り上げられているが、概ね例年通りの頻出テーマが 取り上げられている。合格点をとるには、中小企業政策で、これまでに出題されたテーマをいかにミスせず に得点できたかがポイントとなるであろう。

ぜひ得点をしたい問題は、第13 問(中小ものづくり高度化法)、第14 問(中小企業と小規模企業の範囲)、 第16 問(中小企業等経営強化法)、第17 問(小規模事業者経営改善資金融資制度)、第18 問(下請取引の適 正化)、第22 問(交際費等の特例)、第23 問(中小企業退職金共済制度)などである。 取りこぼしがなければ、この分野で30 点以上の得点を期待できよう。

 

 

 

いかがだったでしょうか?

以上【平成30年中小企業診断士1次試験の科目別難易度】TACの正解率・LECの大原の分野別講評・資格の大原の総評で検証でした。

中小企業診断士試験にチャレンジしている方の参考になれば幸甚です。

 

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中小企業診断士試験 非常識合格法

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