才能や情熱が有り余る人でも無念にも若くして旅立ってしまう人がいます。また人格が高潔で誰からも慕われている人に限ってその早すぎる生涯を惜しまれながら閉じる人が後を絶ちません。「才子多病」とか「憎まれっ子世に憚る」みたいな言葉があるのもこのことを歴史が裏付けているのではないでしょうか。
(先輩からのメール)
奥様曰く、「主人の座右の銘は太く短く生きる」だったそうです。
◆とにかく仕事ができた
- 英語が堪能だった
- 会社のお金で何度も海外視察(と称する遊び)に行っていた
◆とにかく渋くて男前だった
- 大仁田厚に似ていて渋かった
- なんとも言えないクシャクシャの笑顔がカッコよかった
◆とにかくフラットだった
- 学生だった私を大人として認めてくれ敬語で接してくれた
- 上司にゴマすりしてるのを見たことなかった
◆とにかくお洒落だった
- 同じスーツやネクタイをしているのを見たことがなかった
- いつもワイシャツにシワひとつなかった
◆とにかく博打が好きだった
- よくマージャンを朝まで付き合わされた
- 気持ちよく負けを笑って払ってくれた
◆とにかく愛煙家だった
- 文字通りチェーンスモーカーだった
- 常にノーマルとメンソールの二種類持っていて吸い分けていた
◆とにかく酒豪だった
- マージャンをやりながらでもいつもビールを飲んでいた
- BARで水割りを傾けている姿が今で言う「ちょいワル」だった
◆とにかく美食家だった
- 美味しいお店を無尽蔵に知っていた
- 20年後の今でも私達はその店に通わせてもらっている
◆とにかく優しかった
- 家族を大事にしていた
- 年下というだけで誰でも彼でも可愛がった
◆とにかく粋だった
- 見栄っ張りだった
- 物事に動じない胆力が半端なかった
【急逝】金子哲雄さんが自分の通夜に用意した手紙
以下その会葬御礼状の全文です。
手紙全文
このたびは、お忙しい中、私、金子哲雄の葬儀にご列席たまわり、ありがとうございました。今回、41歳で人生における早期リタイア制度を利用させていただいたことに対し、感謝申し上げると同時に、現在、お仕事などにて、お世話になっている関係者のみなさまに、ご迷惑おかけしましたこと、心よりおわび申し上げます。申し訳ございません。
もちろん、早期リタイアしたからといって、ゆっくりと休むつもりは毛頭ございません!第二の現場では、全国どこでも、すぐに行くことができる「魔法のドア」があるとうかがっております。そこで、札幌、東京、名古屋、大阪、松山、福岡など、お世話になったみなさまがいらっしゃる地域におじゃまし、心あたたまるハッピーな話題、おトクなネタを探して、歩き回り、情報発信を継続したい所存です。
今回、ご縁がありまして東京タワーの足元、心光院さまが次の拠点となりました。「何か、面白いネタがないかな?」と思われましたら、チャンネルや周波数を東京タワー方面に合わせ、金子の姿を思い出していただけましたら幸いです。
このたび、葬儀を執り行うにあたりまして葬儀社のセレモニーみやざき 宮崎美津子さまには生前より真摯(しんし)に相談にのって頂きました。また、自分の歩んできた道とゆかりのある港区東麻布を終(つい)の住処とすることをお許しいただきました、浄土宗 心光院 御住職 戸松 義晴先生には公私にわたり、死生観などのアドバイスをちょうだいしました。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
最後になりますが、本日、ご列席下さいました、みなさまのご健康とご多幸を心よりお祈りしております。41年間、お世話になり、ありがとうございました。
急ぎ、書面にて御礼まで。
平成24年10月1日
流通ジャーナリスト 金子哲雄