今日私がはてなブログで今日までやって来れたのはこの方のお陰だと心の底から感じている社労士の吉田先生がこの記事をお載せになりました。
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この記事のソース(男性の育休促進へ助成金)が今日の日経の一面になっていましたので私もなんとなく気になりながら目を通していました。その内容をざっくりと要約すると、厚労省は、男性が会社を休んで育児参加することによって夫婦で育児を分担すれば、女性が出産後も働き続けることができるという判断から、男性の育休に対して企業に助成金(1人目30万円、2人目~5人目15万円、5人まで)を支払うことでその取得を促進するというものです。
いかに政府が急速に進む少子高齢化とともに労働力の確保が急務であると考えているかよくわかります。
ただ現実的にはこの程度の政策では男性の育休が一気に拡充されるとはちゃんちゃら思えないというのが一般的な見方です。
(もちろん無いよりは有ったほうが良いことは言うまでもありません。)
ちなみに男性の育児休業取得の現実(育休取得率)が下のグラフです。
平成24年度でたったの1.89%のパパしか育休を取っていないのが現状なのです。18.9%ではないですよ念のため。
(参考までにママの場合は83.6%とほとんどの労働者が取得しています。)
※今日の日経に平成25年度の数値も出ていました。
男性2.3%、女性86.6%
この取得率を政府は2020年度に13%までに伸ばしたいと考えているようです。私から言わせていただければとんでもない高い数値目標だと思います。助成金を新設して制度の拡充に拍車をかけたい思惑はわからないでもないですか、今回の助成金の規模感ではいささかショボイと感じざるを得ません。
ではなぜ男性の育児休業が日本ではなかなか根付かないのでしょうか?
下記はユーキャンが調査した
「男性が育休の取得率を上げるための障壁として感じるもの」
というリサーチデータです。
みなさん「わかるな~」と唸るモノばかりではないですか...
- 職場の理解が足りない
- 育児休暇中の家計が不安
- 育児休暇中に仕事を引き継げる人がいない
- 取得することで出世に響いてしまう
- 復職後に給与が下がりそう
- 男性は外で働き女性は家事育児をするべきだという風潮
- 男性の子育てに関する知識不足
- 男性育児休暇に対して家族の理解が足りない
- 障壁はない
これを見ると結局上位6位までが仕事絡み(職場・給料など)なんですよね。
もちろんその仕事絡みの障壁を少しでも除去するためのものが今回の厚労省の助成金なのですが、やはり企業の風土や職場の風土を少しづつ変えていかないと根本的に男性の育休が普及することはないのではないでしょうか。
企業や職場の風土を経営陣がリーダーシップをもって変えていただけるのであればベストだと思いますが、まだまだ日本企業の意思決定層は頭が固く、この件に関して動きが極めて鈍いと言われています。
そんな経営層の発想が末端まで浸透しきっているのがあの2%という数値になって出てきているのです。
例えば育休を取ろうとした社員が、
社員「育休取りま~す」
上司「お前アホか!お前が産むのか?お前がいなくなったらお前の仕事誰がやるんだ?寝言は寝て言え!」
社員「そうですよね~冗談で~す(心の中で涙)」
こんなやりとりがあればまだましですが、発言すらできないのが悲しい現実だと思います。
でも我が国もそろそろ最近巷で考え方だけがひとり歩きしている「ワークライフバランス」について真剣に考えてもいい頃ではないかと感じています。
「ワークライフバランス」とは一般的には「仕事と生活の調和」と和訳されます。
内閣府のホームページにも次のようにはっきりと定義されています。
「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」
内閣府HP
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仕事と生活の調和とは(定義) | ワーク・ライフ・バランス| 内閣府男女共同参画局
アメリカでは今急速にワークライフバランスが進んでいます。それも経営戦略のひとつと位置付けられています。それくらいこのワークライフバランスが経営に良い影響を与えることが実証されているのです。
そのワークライフバランスの一翼を担うのが間違いなくこの男性の育児休業なのです。
【提言】私は今後は男性(しかもマネージャークラス)も育児休業をどんどん取得しても良いんじゃないかと考えています。イクメン大賛成です!
※但し、1~2ヶ月間くらいを想定
(制度的には最高1年間)
こんな短期間でもママの負担がどれほど軽減されるか測りしれません。
また現状の日本の民間企業ではこれぐらいが今のところ限界かなとも感じています。
その育休の取り方も、あまり知られていないかもしれませんが「パパママ育休プラス」といってママの出産直後と、ママの仕事復帰直前に2回に分けてパパが育休を取る方法があるのでそれをおすすめします。是非一度ググってみてください。
ここまででちょっと冷静になると、当たり前のことなのですが...
「何ノー天気に甘っちょろいこと言ってんだ!」
「うちの会社なんか男の育休なんか無理に決まってるだろ!」
という声が聞こえてきそうですが、最初から諦めていたのでは何もできるはずがありません。残念ながらなかなか難しい環境に身を置いていらっしゃる方はひとつの考え方と思って読んでいただければうれしいです。
それと是非マネージャークラスに率先して育休を取っていただきたいのです。(年齢的には微妙かもしれませんが...)
その理由は、
- ある程度仕事を調整できる
- ある程度会社と交渉できる
- 上の世代に対しても下の世代に対しても影響力がある
の3つです。
会社の人材の肝はなんといってもマネージャーですので...
それではそろそろ本題に入ります。
なぜ私が男性(しかもマネージャークラス)が1~2ヶ月の育休を取っても悪くないのではないかと考えるのかをまとめてみます。
1.職場の後輩や同僚が育つ
・自分がいなければ仕事がまわらないといった最も悪い思い込みが打ち消される
・否が応にも仕事を任された同僚や部下がぐんぐん成長する
・職場に同時並行遂行能力やタイムマネジメント力が副産物的に根付く
2.チームの結束が強くなる
・上司と休むための準備、相談をする過程でその上司と信頼関係が生まれる
・留守を守ってくれた、協力して休ませてくれたチームに対して感謝する
・「今度お前が休む時には俺に任せておけ!」といった好循環を生む
3.家庭の充実は復帰後の高いモチベーションにつながる
・思う存分一番大事な一番一緒にいたい時期を母子と過ごした後は働くしかないでしょ
・父親としての自覚と、子供への愛着、妻とのパートナーシップの再構築は働くモチベーションにならないはずがない
・父親がここでペースを掴み、育児、家事を少しでも分担することで今後安定した家庭が築け安心して仕事に打ち込める
4.ハラスメントの抑止につながる
・当たり前のこととして受け入れられ嫌味を言われたりするパワハラも少なくなる
・女性に対しての理解が進みセクハラやマタハラに対して真摯になれる
・会社の人事、総務とコミュニケーションが太くなり何かあった時に相談しやすい
5.企業のイメージアップになる
・社員を大事にしている企業というイメージは昨今何物にも代え難い
・男性社員が育休を取っているというレアな事象は採用活動において男女ともにキラーワードになる得る
・育休を取得した社員に愛社精神が醸成されそれを自然発信することで社内外に満足感が伝播する
以上です。
なんとなく企業が活性化しそうなムードを感じませんか?
繰り返しますが大切なことはまずはマネージャークラスが率先して取得することです!
(最近は晩婚傾向ですので、40前後で妻が出産というのも少なくないはずです。)
繰り返しになりますが、まだまだ一部の大企業を除く数多くの企業や、育休を取る社員自身の負担は小さくないのというのが現実です。(大企業がもっと旗を振って普及に努めればあっという間に取得率なんか上がるのでしょうが・・・)
でもこの一時的な負担(40年勤めるとして2ヶ月の休みなんてたった0.4%程度のシェアです)をカバーして余りある良い効果が期待できるのであれば、企業のためにも、社員のためにも、ママのためにも、そして産まれてきてくれた尊い命のためにも一考の余地はあるのではないでしょうか。
最後にどうしても忘れてはならないのが、大きな話になってしまいますが国家としての問題です。少子高齢化、労働力の確保難はのっぴきならない社会問題です。先述したように政府の覚悟がイマイチ弱いような気がしないでもないのですが、今日の日経新聞の一面トップになっていた記事を貼らせていただいて今日の記事を締めさてていただきます。
取るに足らないこのような駄文を最後までお読みいただきまして本当にありがとうございました。
末尾になりましたが吉田先生、今回このように先生の記事に被せるような記事を書いてしまい本当に申し訳ありません。この場をお借りしてお詫び申し上げます。
出典:日本経済新聞
男性の育休促進へ助成金
厚生労働省は育児のため、いったん仕事を離れる人々の支援制度を大幅に拡充する。男性従業員の育児休業を奨励する企業への助成金を新設。子育て世代の女性を念頭に専門学校などにも託児付きの職業訓練を提供するよう促す。男性の育児参加や女性向け職業訓練の拡充が、仕事と家庭の両立や労働力の底上げにつながるとみている。
育児休業の制度を使う男性は少なく、配偶者が出産した男性全体の2.3%にとどまる。そこで新制度では助成金で企業の背中を押す。1人目の従業員が育休をとれば30万円、2~5人目は15万円を企業に支払う。6人目以降は助成しない。
対象は過去3年間に男性の育休取得者がいない企業。男性従業員が配偶者の出産から8週間以内に5日以上の育休をとれば助成金を出す。主に中堅・中小企業に男性従業員の育休を根付かせる呼び水となりそうだ。
育休取得者の業務を引き継ぐマニュアルづくりなど、育休をとりやすい体制を整えた企業に別途30万円の助成金を支払う制度も設ける。
厚労省は「男性に特化して育休取得を助成金で支援する制度は初めて」(幹部)と話す。出産後も女性が働き続けるには配偶者の協力が不可欠との判断が背後にある。