不動産三冠資格を取得したいと考えているみなさん、こんにちは!
いかがお過ごしですか?
みなさんは不動産三冠資格(トリプルクラウン)ってご存知ですか?
そうです、受験日順に、
- 宅建士
- マンション管理士
- 管理業務主任者
の3つの資格です。
平成29年に関しましては、この記事を書いている段階で、
- 宅建士:合格発表直前
- マンション管理士:試験直前
- 管理業務主任者:試験直前
となっています。
この不動産業界の三冠資格は、
- 出題内容が相互に重なっていること
- 出題形式が全く同じであること(全50問、四肢択一のマークシート)
- 試験日が近いこと(10月中旬~12月初旬)
等の理由から、一気に受験して合格することが効率が良いとされています。
この不動産三冠資格を取得すると不動産業界ではかなり重宝されます。
就職や転職が有利になることはもちろんのことですが、専門分野を複数持つ人材(スペシャリスト)として一目置かれます。
サラリーマンであれば資格手当等が付く会社も少なくありませんし、起業するにしてもワンストップでサービスを広く提供できる優位性があります。
またマンション管理士や管理業務主任者は、今後マンションのストック戸数が増え続け、それに比例してマンション問題が増えれば増えるほどニーズが高まってくると予想されています。
マンション問題とは...
- 高齢者等へのバリアフリー
- 耐震対策
- 老朽化に伴う大規模修繕や建替
- 投資物件増加に伴う居住者(賃貸)の無関心
等々です。
このように不動産三冠資格には、やり方次第で大きな可能性を秘めていると言えます。
不動産業界の企業で出世したい方や、起業してバリバリ稼ぎたい方にとって、取得しておいて絶対に損のない資格だと断言できます。
その3つの資格を「効率良く一気に合格しましょう!」というのが今日のテーマです。
勉強の効率や人気度から考えると、
宅建士⇒マンション管理士⇒管理業務主任者
の順で取得するのが効率が良いと思います。
また取得のしやすさや、後でも触れますが「5問免除」制度を利用するのであれば、
管理業務主任者⇒(翌年)宅建士→マンション管理士
の順で取得するのもアリだと思います。
勉強の効率のことを少し触れておくと、3つの資格に共通してキモとなっている「民法」をマスターすれば、3つすべての資格対してスムーズに試験対策できます。
※民法についておまけ
↓↓↓
宅建士試験で勉強した「民法」の知識がほぼそのままマンション管理士試験や管理業務主任者試験で使えるわけです。結構なウエイトを占める分野であるにも関わらず、宅建士で勉強しておけば後はほぼ無勉強で大丈夫なのです。その他の論点の多くも相互に被っています。
このことだけ見ても効率良さそうですよね。
こんな不動産三冠資格を短期間で独学で一気に効率良く合格する勉強法を今日は紹介してみたいと思います。
今みなさんが置かれている立場に応じて、読んでいただけると幸いです。
それではそろそろ始めます。
▼目次▼
【1】各資格の業務内容
◆宅建士
平成27年4月から「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士(宅建士)」へと呼称変更されました。加えて、景気浮揚、東京オリンピック開催、中古住宅市場の活性化、空き家対策等の社会的ニーズ増加に比例して、宅建士の存在が必要不可欠となっています。
宅建士は毎年約20万人が受験する大人気のマンモス資格です。その人気の理由は宅建業者の事務所ごとに従業員5人に1人以上の割合で専任の宅地建物取引士を置くように法律で定められている「設置義務(必置資格)」があることや、宅建士の「独占業務」が存在すること等が挙げられます。
不動産取引業者は宅建士資格がほぼ必須と言われていますので、就職・転職活動で宅建士資格を取得していることが大きなアドバンテージになることは言うまでもありませんし、不動産は金融商品などとしても活用されるので金融機関等の他の業界でも宅建士の知識が大いに役立ちます。
◆マンション管理士
マンション管理士は、平成12年12月1日成案、平成13年8月1日施行の「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)」によって作られた比較的新しい国家資格です。
その業務は、マンションに関連する法律や専門知識をもって、分譲マンションの管理組合や区分所有者からの相談に応じ、管理組合の運営や管理について適正なアドバイス、指導を行うことです。つまりひとことでいえば、「マンションの管理組合・区分所有者へのアドバイザー」という役割を担います。特に分譲マンションにおいては住民間のみならず、管理費と滞納する区分所有者と管理組合間、マンションの管理を委託している管理会社との契約に関する問題などトラブルが絶えません。マンション管理士は、管理組合の立場に立ってこのような様々なトラブルに対処することが求められているといえます。
マンション管理士は名称独占資格であり、マンション管理士の資格を有しないとこのような業務を行えないというわけではありませんが、資格を有することにより信頼性を増すことができます。
もう一度ミッションをまとめると...
-
マンション管理組合の運営に関する助言・指導・援助
-
長期修繕計画・修繕積立金などについての企画の立案、見直しなどのコンサルティング
-
住民間及び管理会社とのトラブル対応
◆管理業務主任者
管理業務主任者も、マンション管理士と同様にマンション管理適正化法により国家資格として位置づけられるようになりました。その業務内容は、マンションの管理を管理組合から委託されている管理会社の社員として、管理業務のうち重要なマネージメントを行うことです。
主な業務は、マンション管理業者が管理組合と管理受託契約を締結する際、管理組合の構成メンバーである区分所有者に契約の重要事項説明を行ったり、管理業務の処理状況のチェック及び報告を行う、といったことです。一定の管理会社には、一定数の管理業務主任者の設置が義務付けられており(必置資格)、マンション数が年々増え続けているだけでなく、区分所有者の高齢化が社会問題としても注目されつつある昨今において、ますます資格の必要性が高まると見られています。
具体的な業務としては...
-
管理受託契約前の重要事項説明
-
重要事項に関する書面への記名・押印
-
管理受託契約にかかる契約書への記名・押印
-
管理事務に関する報告
等が挙げられます。
【2】各資格の試験概要
※データは平成28年実績です。
※必ず各試験主催者発表の最新の試験概要をHP等で確認してください。
◆宅建士試験
↓↓↓
国家資格・業務独占資格・必置資格
【受験者数】
198,463人
【合格率】
15.4%
【試験日】
10月
【受験料】
7,000円
【受験資格】
制限なし
【申込期間】
7月1日~7月中旬(インターネット)
7月1日~7月下旬(郵送)
【合格発表】
12月上旬
◆マンション管理士試験
↓↓↓
国家資格・名称独占資格
【受験者数】
13,737人
【合格率】
8.0%
【試験日】
11月
【受験料】
9,400円
【受験資格】
制限なし
【申込期間】
9月
【合格発表】
1月中旬
◆管理業務主任者試験
↓↓↓
国家資格・業務独占資格・必置資格
【受験者数】
16,952人
【合格率】
22.5%
【試験日】
12月
【受験料】
8,900円
【受験資格】
制限なし
【申込期間】
9月
【合格発表】
1月中旬~下旬
【3】必要な勉強時間
これはあくまでも目安ですし、個人差もありますので参考程度に見ておいてください。
- 宅建士 300~500時間程度
- マンション管理士 500~600時間程度
- 管理業務主任者 250~300時間程度
当記事では以下最も一般的な取得順の、
宅建士⇒マンション管理士⇒管理業務主任者
という順番で受験することをイメージして進めていきます。
想定は、
- 宅建士 300~500時間
- マンション管理士 プラス126時間
- 管理業務主任者 プラス 28時間
この勉強時間で同年度に3つ一気に合格しちゃいましょう!
【4】まずは宅建士試験合格
なんといっても一番人気の高い資格は宅建士です。この不動産三冠資格も宅建士から始める方が圧倒的に多いのではないでしょうか。不動産取引業において欠かせない「必置資格・業務独占資格」で、毎年20万人近い受験者が受験しています。
まずはとにかくこの宅建士を合格することだけを考えて勉強を始めてください。
この段階では、マンション管理士試験や管理業務主任者試験のことはあまり意識する必要はありません。これらの対策は、宅建士試験のベース(特に民法)がしっかり仕上がっていれば、宅建士試験の終了後で十分間に合いますので、ご心配なく。
宅建士試験合格に必要な勉強時間は、先程も触れましたが一般的には300時間~500時間程度と言われています。受験の申込みが7月からスタートしますので、7月1日に申込んで、勉強を開始すれば、働きながらでもしっかり勉強時間が確保できるはずです。
参考までに、私の実際にやった宅建士試験勉強法をご紹介しておきますのでご一読ください。
↓↓↓
【5】宅建士からマン管
宅建士試験日からマンション管理士試験日まで通常は6週間あります。
(2015実績:宅建士10月18日~マン管11月29日)
この6週間(42日間)を一日3時間勉強するとして、126時間でやって欲しいことをご提案します。
当然ですが、一番大切なことは宅建士試験用の知識に、宅建士とマン管でかぶっていない論点(マン管だけの論点)をプラスでINPUTすることです。
下の表は宅建士とマン管と管業の試験範囲の重複状況です。
ここで宅建士で出題範囲となっていない論点を抽出すると...
- マンション標準管理規約
- 被災マンション法
- 建替え円滑化法
- マンション管理適正化法
- 品確法等
- マンション標準管理規約委託契約書
- 民事訴訟法
- 設備
- 維持保全
- その他の設備系法令
これは押えておいてください。
<1>最初の27時間(9日間)
上記の被っていない論点をまずは基本テキストで精読してください。
あと区分所有法と民法は重要論点ですのでここももう一度さらっと読んでください。
※区分所有法と標準管理規約と民法で例年35問程度出題されます。
この論点だけを1周3日(3×3=9時間)として、3周で27時間かけます。
<2>次の63時間(21日間)(ここまで9+21=30日)
それが終われば過去問です。
過去問は過去5年から10年分程を3回くらいは回したいところです。
一年分解答解説をじっくり読む時間も考えて約3時間かかるとして...
5年×3時間×3回=45時間
7年×3時間×3回=63時間
10年×3時間×3回=90時間
TACのテキストが過去7年分ですのでここでは63時間としておきます。
解けなかった論点は必ず基本的テキストに戻って再INPUTしておいてください。
<3>残り36時間(42ー30=12日間)
過去問で一回でも間違えた問題のみもう一度解きます。
ここでまた間違えた問題だけを本試験まで繰り返し解き続けます。
これがスラスラと解けるようになればまず合格圏突入です。
どうしてもよく間違えてしまう問題は、弱点リストとして紙にまとめて持ち歩いてください。もちろん試験会場にも持っていき試験開始直前まで解き続けましょう。
ここで余裕が出た方(早々に過去問が仕上がった方)は、ダメ押しでこのテキストをさらっとチェックしてみることをおすすめしておきます。
↓↓↓

マンション管理士 出るとこ予想 合格(うか)るチェックシート 2017年度
- 作者: TACマンション管理士講座
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2017/08/20
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★不動産三冠資格の試験範囲
分野(詳細) | 宅 建 |
マ ン 管 |
主 任 者 |
コメント | |
---|---|---|---|---|---|
法令系 | 区分所有法 | ○ | ○ | ○ | ・出題の中心となるのでしっかり学習は必要であるが、決議等につき宅建の知識が役に立つ。 ・この4つは関連する法令等である。 |
マンション 標準管理規約 |
○ | ○ | |||
被災マンション法 | ○ | ○ | |||
建替え円滑化法 | ○ | ○ | |||
不動産登記法 | ○ | ○ | 宅建の知識に若干補充が必要。 | ||
民法 | ○ | ○ | ○ | 宅建の知識で十分対応可能。 | |
宅建業法 | ○ | ○ | ○ | 宅建の知識で十分対応可能。 | |
マンション 管理適正化法 |
○ | ○ | ボリュームも少なく、 宅建業法と仕組みが酷似しているため、 理解は容易。 | ||
その他法令 (品確法等) |
○ | ○ | |||
会計系 管理実務 |
マンション 標準管理委託契約書 |
○ | ○ | ||
会計・税務・簿記 | ○ | ○ | ○ | 税務につき宅建の知識が役に立つ。 出題範囲が限られるので、短期間で攻略可能。 |
|
民事訴訟法 | ○ | ○ | |||
設備系 | 建築 | ○ | ○ | ○ | 宅建の建物の知識が役に立つ。 |
設備 | ○ | ○ | |||
維持保全 | ○ | ○ | |||
都市計画法 | ○ | ○ | 宅建の知識で十分対応可能。 | ||
建築基準法 | ○ | ○ | ○ | 宅建の知識が役に立つが、単体規定を補充する必要あり。 | |
その他設備系法令 | ○ | ○ |
※出典:LEC
【6】マン管から管業
マンション管理士試験日から管理業務主任者試験日まで通常1週間しかありません。
(2017実績:マン管11月26日~管業12月3日)
この1週間(7日間)をちょっと頑張って一日4時間ほど勉強するとして、28時間でやっておきたいことをご提案します。
ここまで宅建士、マンション管理士とやってきて、誤解を恐れずに言うと、このまま何もやらなくても...
既に合格圏に突入しています!
ただせっかく受験するのであれば、より合格の確度を高めるために、最後の詰めを丁寧にやっておきましょう。
一番大切なことはマン管と同じで、宅建士試験とマン管試験の知識に宅建士&マン管と管業で被っていない論点(管業だけの論点)を追加してINPUTすることです。
先程の表は宅建士&マン管と管業の被っていない論点を抽出するとほぼ皆無ですよね。ただマン管で比較的薄く、管業で比較的濃い論点を挙げておくと、
- 宅建業法
- 品確法
- 消費者契約法
- 消費者契約法
- 個人情報保護法
- 標準管理委託契約書
- 会計(仕訳)
これらの論点を確実に追加でINPUTしてください。
<1>最初の8時間
上記の論点をまずは基本テキストで精読してください。
あと区分所有法と標準管理規約と民法は重要論点ですのでここももう一度精読してください。
※区分所有法と標準管理規約と民法で例年27問程度出題されます。
この論点だけを3周、2日(8時間)で完了してください。
<2>次の15時間(ここまでで8+15=23時間)
それが終われば過去問です。
過去問は最低限過去5年分を1回本番を意識してやってみましょう。
一年分解答解説をじっくり読む時間も考えて約3時間かかるとして...
5年×3時間×1回=15時間
気合を入れて、各年35問程度GETして欲しいところです。
<3>残り5時間(合計28時間)
過去問で間違えた問題だけをもう一度解きます。
ここでまた間違えた問題だけを本試験まで繰り返し解き続けます。
これがスラスラと解けるようになればほぼ完璧です。
どうしてもよく間違えてしまう問題は、弱点リストとして紙にまとめて試験会場に持っていき試験開始直前まで解き続けましょう。
余裕があればこの項の最初で紹介した論点だけでも、TACの過去問で過去7年分解いておきましょう。
【参考】宅建士から「直接」管理業務主任者へ向かう場合はこちら
↓↓↓
【7】おすすめのテキスト
『基本テキスト+過去問』が基本です。
以下おすすめのテキストを紹介しておきますが、既にお持ちの方は敢えて買い換える必要はありませんので、参考程度にチェックしてみてください。
ただ今から購入するという方は、どうせなら受験する年度用のものを買って欲しいところです。
※各試験終了後、1~2ヶ月後から販売開始されているようです。
◆宅建士
・基本テキスト
もう一度宅建士を受験するならきっとTACのこのテキストを使うと思います。
あとLECのテキストも素晴らしいと思いますのでお好みで。

わかって合格(うか)る宅建士 基本テキスト 2017年度 (わかって合格る宅建士シリーズ)
- 作者: 木曽計行,TAC宅建士講座
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・ 過去問(受験する年度版を是非購入しましょう!)

わかって合格(うか)る宅建士 過去問12年PLUS(プラス) 2017年度 (わかって合格る宅建士シリーズ)
- 作者: TAC宅建士講座,都丸正弘
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◆マンション管理士
・基本テキスト
これは非常に良くまとまっていると思います!

らくらくわかる! マンション管理士 速習テキスト 2017年度
- 作者: 平柳将人,TACマンション管理士講座
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2017/02/18
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・ 過去問 (受験する年度版を是非購入しましょう!)
◆管理業務主任者
・基本テキスト
私もこれを実際に使いました。
・ 過去問 (受験する年度版を是非購入しましょう!)
【8】スケジュール
2017年度の実績で紹介しておきます。
※マンション管理士と管理業務主任者の申し込みを忘れがちですのでご注意ください!
<1>宅建士試験申し込み
例年7月1日~7月15日(ネット)
例年7月1日~7月31日(郵送)
<2>宅建士試験勉強開始
宅建士試験日まで約3ヵ月半
<3>マンション管理士・管理業務主任者申し込み
ともに...
例年9月1日~9月30日
<4>宅建士試験
2017年10月15日
※試験後の流れ
↓↓↓
<5>マンション管理士試験勉強開始
マンション管理士試験日まで6週間
<6>マンション管理士試験
2017年11月26日
※試験後の流れ
↓↓↓
<7>管理業務主任者試験勉強開始
管理業務主任者試験日まで1週間
<8>宅建士試験合格発表
2017年11月29日
<9>管理業務主任者試験
2017年12月3日
※試験後の流れ
↓↓↓
準備中
<10>マンション管理士試験合格発表
2018年1月12日
<11>管理業務主任者合格発表
2018年1月19日
「これで晴れて三冠(トリプルクラウン)達成です!」
【9】資格試験勉強心得
最後にいくつか資格試験に関する記事、その他資格試験に関する記事をご紹介しておきます。
◆朝型勉強が個人的にはおすすめ
↓↓↓
◆資格試験勉強のモチベーション
↓↓↓
◆資格試験の受験心得
↓↓↓
◆不動産資格のすべてが解る
↓↓↓
◆宅建士からのステップアップ
↓↓↓
◆偉大なプロ野球界の三冠王:王貞治氏
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