私は以前この記事にも書きましたが、2016年6月から7月にかけて、キャリア・コンサルティング技能検定の2級を受験しました。
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そして今日のこの記事は、私がそのキャリア・コンサルティング技能検定の実技試験(面接)を実際に受験した時の様子をありのままに、できるだけ忠実にレポートしたものです。
今後この資格を取得しようと考えている方や、実技試験(面接)を直前に控えている方の参考となることを願って書きましたので、是非ご一読ください。
この資格に関する情報はとてもレアですので、ちょっと手前味噌ですがそこそこ貴重な体験記になっているのではないかと勝手に思っています。
それでは早速スタートします。
◆目次◆
- 【1】キャリアコンサルティング技能検定
- 【2】実技試験(面接)の事前準備
- 【3】実技(面接)試験実施要項
- 【4】実技試験(面接)の合格基準
- 【5】実技試験(面接)当日の流れ
- 【6】控室〜面接会場入室直前まで
- 【7】実技試験(面接)スタート
- 【8】ロールプレイの振り返り
- 【9】口頭試問の振り返り
- 【10】反省点
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【1】キャリアコンサルティング技能検定
- 学科試験 100分(50問で35問正解で合格)
- 実技試験(論述) 60分
- 実技試験(面接) 30分
があり、すべての試験に合格しなければなりません。
学科試験と実技試験(論述)は同じ日に行われます。
参考までにこの資格の合格率は...(今回が第16回です)
◎第15回 平成27年後期
【学科】
受検者1,829人 合格者949人 合格率48.94%
【実技】
受検者2,748人 合格者530人 合格率18.83%
◎第14回 平成27年前期
【学科】
受検者1,418人 合格者804人 合格率53.32%
【実技】
受検者2,991人 合格者375人 合格率17.56%
◎第13回 平成26年後期
【学科】
受検者2,887人 合格者1,699人 合格率58.85%
【実技】
受検者2,429人 合格者461人 合格率18.98%
◎第12回 平成26年前期
【学科】
未導入(以前は学科試験は年1回だった)
【実技】
受検者1,984人 合格者290人 合格率17.22%
◎第11回 平成25年後期
【学科】
受検者766人 合格者521人 合格率64.49%
【実技】
受検者4,437人 合格者934人 合格率20.60%
◎第10回 平成25年前期
【学科】
未導入
【実技】
受検者3,197人 合格者729人 合格率22.44%
最近の実技試験の合格率は20%に届かないくらいですね。
あの有名な宅建試験と同じくらいの合格率です。
5人に1人しか合格しないとなると、そこそこの難関試験です。
(受験者はほぼ全員実務経験があるにも拘らずです。)
この記事を書いている時点で、筆記試験と実技試験(論述)は終わっていて、筆記試験は自己採点で40問/50問の80%で合格、実技試験(論述)も悪くない手応えでおそらく大丈夫だと思います。
※学科試験と実技試験(論述)を受験したときの記事
↓↓↓
面接の日程は、4月の受験申し込み時に第3希望まで選べるようになっています。
確定の日程は受験票に記載されています。
受験票は3つの試験(学科・実技2つ)が1枚にまとめられています。
【2】実技試験(面接)の事前準備
事前に受験票と一緒に5つのロールプレイケースが送られてきます。
※過去問はこちらでご確認ください。
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この5つのケースすべてについて私は、
- クライエントへの質問
- クライエントの問題点
- コンサルタントから見た問題点
- どのようにラポールの形成をするか
を準備しました。
※この資格界隈では相談者のことを「クライアント」ではなく「クライエント」と書きます。
私が本試験で与えられたケースは、育休明けで復職した35歳の女性で、育児休業前は営業だったが、復職後は短時間勤務ということもあり営業企画に配属されたが、その仕事にやりがいを感じることができず悩んでいる、といった内容だったのですが、
クライエントへの質問として...
- 今までの経緯について
- 短時間勤務について
- 営業の仕事の内容について
- 営業企画の仕事の内容について
- どうして営業企画が自分に向いていないいと思うのか
- 営業の仕事をしているときにあげた成果は
- 短時間勤務から正常勤務にいつ戻せるか
- そうなったら営業の仕事に戻れるのか
- 会社を辞めて転職する気持ちまであるか
- 会社の人間関係や雰囲気は
- ご主人には相談したか
- 誰か他に相談できる人はいるか
こんな感じで準備しました。
これらの質問は本番でほぼすべて出来ました。
他では子育ての状況なども聞いてみても良かったような気がします。
他の4つのケースについても同様に事前準備しておきました。
【3】実技(面接)試験実施要項
- ロールプレイ 20分
- 口頭試問 10分
事前に送付される5ケースの中から1ケース出題されます。
受験者は、民間の相談機関の相談室において、キャリアコンサルタントの役割を担っているという設定でロールプレイが行われます。
もちろん事前の情報は何もない(クライエントのことは何も知らない)という設定です。
受験者は資料等の持ち込み、メモ・録音は一切できません。
ちなみに服装は一応スーツ(ノータイ)で行きました。
【4】実技試験(面接)の合格基準
100点満点で60点以上で合格です。
評価区分は、
- 基本的態度
- 関係構築力
- 問題把握力
- 具体的展開力
の4つで、各評価区分すべて60パーセント以上の得点が必要です。
厳しいですね。
【5】実技試験(面接)当日の流れ
以下のスケジュールが控え室に貼り出されています。
※多少記憶が曖昧ですので、ご了承ください。
16:45 集合
16:50 ガイダンス
グループの発表(12名づつの先グループ・後グループの2組)
16:55 先グループ控え室から面接会場へ
16:00 先グループ面接開始
約30分で面接終了
16:25 後グループ控え室から面接会場へ
16:30 後グループ面接開始
約30分で面接終了
私は後グループでした。
A〜Lに振り分けられますが、例えばAが1ケース、Bが2ケースみたいに順番通りには残念ながら並んでいません。
Aだからといってケース1が来ないということです。
【6】控室〜面接会場入室直前まで
先グループが面接会場に行った後はいったん解散になり、その間資料を読むこともできます。
(さすがにみなさん懸命に読んでましたね)
控え室を出るとすぐ前に面接会場まで案内してくれるスタッフが立っています。
そのスタッフがロールプレイの相手(クライエント)となりますので、この時点で性別と年齢である程度自分がどのケースに当たったのか予想できます。
もちろん資料は控え室から持ち出せませんし、面接会場の前に着くとすぐにまた注意書き(特に大したことは書かれていない)を読むように言われますので、ケースを予想して頭の中を整理しつつ、ロールプレイの準備をするような時間は正直ありませんが、記憶を冷静に呼び起こすことが少しくらいはできます。
注意書きを読み終わるとすぐに面接会場に入るように言われます。
【7】実技試験(面接)スタート
面接会場に入ると、手前には長い机とイスが置かれていて、正面に採点者が2名座っています。
私の場合の採点者は60代くらいの男性と女性でした。
簡単に試験官から注意事項が説明されているうちに、右斜め前にロールプレイの相手(案内をしてくれた女性スタッフ)が座ります。
目覚まし時計のような時計とボイスレコーダーが机の上に置かれています。
先ほどもご紹介しましたが、私に与えられたケースは、育休明けで復職した35歳の女性で、復職後配属された営業企画の仕事にやりがいを感じることができず悩んでいる、といった内容でした。
一番当たって欲しくないケースではありませんでしたが、特に当たって欲しいと思えるほどのものでもありませんでした。
当たったケースがやり易いか、やり難いかは、運が結構左右しますね。
【8】ロールプレイの振り返り
- クライエントは結構暗かった、というか不機嫌そうだった(まったく笑わない)
- 「何か言い足らないことはないですか」という質問にあっさり「ありません」と言われたしまった。
- 頼みの綱の「相談できる人は誰かいますか」という質問にあっさり「誰もいない」と言われてしまった。
- 「相談前と相談後で心境の変化はありましたか」という質問にあっさり「あまりありませんでした」と言われてしまった。
この発言でかなりショックを受けました。
ああこりゃダメかな...と感じました。
20分が経過するとアラームが鳴り、採点者に話しの途中でも容赦なく「やめてください!」と言われますので、時間内になんとか相談をまとめた方が良さそうな気がしました。
アラームが鳴るとクライアント役のスタッフはスッといなくなり、採点者の口頭試問が始まります。
【9】口頭試問の振り返り
口頭試問は女性の採点者から始まり、
1.相談の良かった点と悪かった点
2.クライエントとラポールの形成は得られたか?
というお約束の質問があり、
その後で男性の試験官から、
3.クライエントが相談したかった問題点とコンサルティングから見たクライエントの問題点は何か?
4.クライエントに対して現時点でどのような支援ができたか?または今後どのような支援が考えられるか?
という質問がありました。
1.については、良かった点は、クライエントが会社は辞めたくないという想いを明確に引き出せたこと、悪かった点は、具体的な戦略を導き出すことができなかったことを挙げました。
2.については、営業の才能があることや、子育てをしながら時短勤務で働いている大変さにもっと寄り添ってラポールを形成したかっが、クライエントの表情が最後まで暗かったので心配だ、みたいなことを述べました。
3.についてはクライエントの問題点は、育休明けで復職したが、やりがいがあった営業から営業企画に異動になり、仕事にやりがいが見出せず悩んでいる、コンサルタントから見る問題点は、今の営業企画の仕事にやりがいが見出せないという思いが先行し、自己のリソースが整理できておらず、今後の方向性に具体的な戦略が立てられないでいる、みたいなことを述べました。
4.については、会社の上司や、営業企画の業務ををやりがいをもって働いている同僚や、ご主人に相談することを促す、みたいなことを述べました。
ここまでで約30分弱、実技試験(面接)終了です。
【10】反省点
面接中に一番「やってもうた・・・」と感じたのが、クライエントが「相談できる人もいない」とか「何をどう相談したらいいのかわからない」等中々こちらの提案に乗ってきてくれないので、ついつい焦ってしまい、「とりあえず短時間勤務のうちは営業企画で頑張り、3〜4年後フル勤務になった段階で営業に戻れるまで辛抱できませんか?」みたいな「誘導尋問」をしてしまったことです。
その瞬間、採点者もすかさずメモしていましたので。
このロールプレイで「誘導尋問」は絶対にやってはいけないと言われているので、この点はちょっと後悔ですね。
面接終了後は控室に戻って荷物を取って、すぐに帰れます。
いや~マジで死ぬ程疲れました。(消耗しました。)
以上が【面接対策!キャリア・コンサルティング技能検定】私がやった事前準備と死ぬ程消耗した実技試験(面接)当日の流れです。
まだ発表前ですので、合否はわかりませんが、自分的にはちょっと厳しいかもしれないかなと感じています。
その理由としては、
- クライエント役が最後まで暗かった(笑顔がほぼゼロ)
- 具体的な戦略が導き出せなかった(とにかく相談相手がいないと言われた)
- 誘導尋問をやってしまった(そのことを口頭試問での悪かった点でも挙げなかった)
などです。
面接は、きんざいのFP1級試験でも経験していましたし、今の仕事で面接や面談は四六時中やっているのであまり緊張しませんでしたが、クライエント役が想定通りの答えをしてくれなかったのでメチャクチャ疲れました。
その反動で、その日の夜はしこたま飲みました。
正直言って、もし今回不合格になっていたら再チャレンジするかどうかはちょっと微妙です。
受験料も超お高い(29,900円)ですし、実技試験(面接)対策も選択肢がほとんどなく(LECでロールプレイ講座があるくらい)、物理的に難しい(LECにも通えない)からです。
なんとか今回、滑り込みででも合格していて欲しいですが、もし不合格だったとしてもこの実技試験(面接)の点数とともに合否をこのブログでご紹介させていただく予定ですので、次回この実技試験(面接)を受ける予定の方はもしよろしければチェックしてみてください。
この程度の出来でどれくらい得点できるのか参考になると思いますので。
それではまた合格発表日(2016年9月1日)に会いましょう!
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