平成30年度の中小企業診断士第1次試験の試験合格者は次のとおりです。
合格基準:総点数の60%以上であって、かつ、1科目でも満点の40%未満のないこと。
ただし、「経営法務」については、本年度の得点水準を勘案し、受験者の得点に8点を加算しました。
中小企業診断士第1次試験を受験したみなさんこんにちは!
1次試験が終了し一週間ほど経過しましたがいかがお過ごしですか?
出来はいかがでしたでしょうか?
万歳!\(^o^)/ですか?
あの『経営法務』の難易度ありえへん!なんだよ!くっそーっ!て感じですか?
今回の1次試験において「経営法務」の難易度が高すぎ、足切りになった受験生が続出しているようです。
そこで過去も行われたことがある合格基準の弾力化が今回も行われる可能性が高いのではないかと巷間囁かれています。
過去の合格基準の弾力化の実績は・・・
- 平成22年 経済学・経済政策 4点加算
- 平成25年 経済学・経済政策 4点加算
- 平成28年 経営情報システム 4点加算
- 平成28年 合格基準「総得点の59%以上であって、かつ、1科目でも40%未満のないこと」
です。
ちなみに協会の公式サイトでは、第1次試験の合格基準として・・・
(1)第1次試験の合格基準は、総得点の60%以上であって、かつ、1科目でも満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
(2)科目合格基準は、満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
となっています。やはり得点調整を示唆した表現になっているのですね。
今回の1次試験に対する得点調整のポイントは・・・
(1)経営法務の合格基準の弾力化が行われるか否か?
(2)経営法務の合格基準の弾力化が行われた場合、4点加算か?8点加算か?
(3)合計点の60%以上という合格基準が59%に調整されるか?
ということになると思われます。
そこで今日は中小企業診断士1次試験関の難易度や上記のポイントについての講評・総評等のについてまとめてみました。
「合格基準の弾力化」に注目している方は参考にしてください。
目次
【1】講評
経営法務の得点調整(4点加算・8点加算)や、全体の得点調整(59%)に関する講評等をまとめます。
★TAC
<動画のポイント>
合格基準の弾力化・4点加点された『2013年の経済学・経済政策』の平均点
41.92
『2018年の経営法務』の平均点
41.60
∴ 2018年の経営法務は合格基準の弾力化・4点加点される可能性が高い
もし4点加点されない場合は合格率は相当下がる。
20%どころではない。
★資格の大原
【総評】
平成30年度 中小企業診断士第1次試験
E 経営法務
平成30 年度の本試験は、問題数は23 題(昨年21 題)、設問数は25 問(昨年25 問)であった。昨年度 よりも問題数が増加したものの、設問数は同じであり、例年並みのボリュームといえる。出題内容は、資本 市場へのアクセスを含む会社法関連が8問(昨年7問)、知的財産権関連が9問(昨年9問)、民法・その 他が8問(昨年9問)であった。こちらも例年どおり、偏りのない出題傾向であった。全体的な難易度につ いては、出題論点を考慮すると、昨年度よりも易しくなっているが、昨年度の難易度が高かったことを勘案 すると、結果として例年並みの難易度であったと考えられる。以下、各分野について見ていく。
会社法関連は、第1問~第4問、第6問、第7問、第21 問、第22 問の計8問であった。第2問のような 基本論点の出題も見受けられたが、第3問では株式の相続があった場合に関する知識が必要であり、第4問 では有利発行となる場合を各自で計算した上で判断しなければならないなど、応用的な問題も見受けられた。
知的財産権関連は、第8問~第14 問、第18 問の計9問であった。第13 問のパブリシティ権や第14 問の マドリッド協定以外の問題は、過去に繰り返し出題されている論点や基本的な知識で解答を絞り込める問題 が多く見受けられるため、この知的財産権関連で得点を稼ぐことが重要となる。
民法・その他は、民法4問(第16 問・第17 問・第19 問・第20 問)、英文契約書2問(第15 問の設問1・2)、その他2問(第5問・第23 問)であった。これらについては、幅広い知識が必要とされており、 得点を伸ばすことは難しかったものと思われる。このうち、第5問は財務・会計の知識により解答を絞り込 むことが可能であった。
★LEC
1.総評
本年度は全25問(設問込み)であり、1問4点と予想がつき、何点取れたか、予想し易かった。分野的には、会社法分野9 問(うち、2問が上場、金商法)、知的財産法9問、その他の分野7問であった。会社法分野と知的財産法分野から18問出題 されており、この分野を中心に学習をしていれば、合格点も十分に狙えたといえる。本年度は、知的財産法分野に易しい問 題が多く、ここでどれだけ得点をとれたかが合格を分けたものといえる。とはいえ、レベル的には、昨年と同等もしくは難化し たと予想される。
2.分野別講評
1 会社法分野
前述の通り、9問(うち、2問が上場、金商法)出題されている。第1問、第2問、第22問は、基本テキストレベルであり、必 達といえる。また、第3問も過去に類題が出題されており(平成27年第17問)、対応は十分可能といえる。第4問~第7問は、 見慣れない問題といえ、びっくりしたと思うが、第5問、第7問は財務の知識も使いながらなんとか対応してほしい。第21問も 知識としては持っていた受験生は少なかったと思われるが、JASDAQが指名委員会等設置会社が一番少ないと予想ができ、 そこから解答の糸口を見つけてほしい。
2 知的財産法分野
前述の通り、9問(特許法1問、意匠法1問、商標法2問、不正競争防止法1問、複数の知的財産法にまたがる問題3問、 パブリシティ権1問)出題されている。全体的に解きやすい問題が多く、この分野で点数稼ぎをしておかなければ、合格点は おぼつかないといえる。第13問のパブリシティ権を詳しく知っている受験生は少なかったと思われるが、常識的な感覚で解 答できたものと思われる。また、第14問のマドプロ出願も国内で商標登録出願が済んでいることから、これを手がかかりに 解答はできたと思われる。
3 その他の分野
前述の通り、7問(英文2問、民法4問、メール送信に関する法規制1問)出題されている。ここの分野もそれなりに解けな いと、やはり合格点は難しい。知的財産法は解き切るとして、会社法分野について自信を持って解けていない場合には、こ こでの出来が合否を分けてしまう。第23問は、きちんと学習している受験生は少なかったと思われるが、何とか常識で解い てほしい。民法は、改正されており、注目度が高いことから、今後も対策が必要といえる。英文の問題は慣れることが大事な ので、過去問や答練、模試で出題された範囲でもよいので、学習しておくことが重要である。
3.その他・特記事項
本年度の特徴として、第5問や第7問のように、他の科目の知識も活用する必要がある問題が出されている点が特徴とい える。今後、経営法務を学習する際には、他の科目も意識した学習が必要になると思われる。普段の学習で他の科目で同 じ言葉やテーマが取り上げられている場合には、その科目も併せて学習していくことが必要になると思われる。また、第21 問のように法律そのものではないものについては、普段の新聞やニュースで取り上げられることもあるものなので、普段か ら、新聞やニュースにも注意深く目を通しておいてほしい。
さらに、民法からも出題される可能性が高いので、対策が必要といえる。
★クレアール
<動画のポイント>
今年一番の悪い意味での話題科目
今年一番難易度の高い科目
知的財産の分野は比較的平易
民法と会社法が非常に難易度が高い
第8問〜第12問でしっかり得点したかった
ちょっと難しすぎ、診断士試験でここまで問う必要があるのか疑問?
経営法務で36点足切りをくらいそうだという声が少なからずある
下駄を履かせてくれる支援策を期待する
経営法務だけで足切りされそうな人も一抹の望みはある
★EBA中小企業診断士スクール
本日開催!2次試験直前 無料ガイダンス | 効率的な学習| 資格試験 | EBA中小企業診断士スクール
8月に入り、世の中はお盆ムードですが、診断士試験はいよいよ2次直前期に入りました。
今年の1次試験は財務・法務が難化し、1次通過に弾力化を待たないといけない受験生も多いと思います。
EBAとしては法務の弾力化(および他科目の没問)は可能性が高いと考えています。平均60点に満たなかった方も、
また40点未満となってしまった方も、気持ちを切らずにすぐに2次試験の学習を開始してください。
★中小企業診断士 青木公司先生
中小企業診断士 一次試験、法務財務など今回、難易度の高い科目を受けていたら - 中小企業診断士・人気プロ研修講師・コンサルタント・人気プロコン塾売れプロ塾長あお先生こと青木公司の元気が出るブログ
また周囲の知り合いなどからも情報を集めていますが、今回は経営法務と財務会計が難易度が高かったようですね。
二次合格率49%を誇るうちの通年道場生でも法務は相当の難易度で60点を超えたのが数名ですし、財務は昨年は100点や88点が複数名、70点以上が8割にもいたったうちの道場生がトップが80点そこそこ。70点台がようやっと何名で平均点も60点台半ば程度にしか行きません。
法務などは、問題傾向から作問者の好みがあるのと同時に、「診断士に必要な法務範囲」を超えていたり、診断士受験生のレベルを考えておらず、ほかの法律専門の資格ホルダーが作ったような問題の傾向がより色濃いので、来年以降は当然対策が必要です。
ただ一つ言えるのは、法務も、すでに疑義がもたれる問題があったりするようですし、難易度が高ければかさ上げなどの可能性もあります。
10点差以内くらいなら、まず前を向きましょう。
昨年もうちの受講生で一次、法務の没問で得点が上がり、一次突破の人もいました。
とにかく今はやれるのは二次学習。
前を向きましょう。
★日本マンパワー
【経営法務】
前年度同様25設問、1問当たりの配点が4点であった。分野別に見ると、知財関連9設問、会社法関連8設問、その他8設問となっている。いずれの分野においても応用問題が多く、難度は高い。会社法と知財関連の基本問題を確実に正答することで50点程度をとることはできるものの、一定程度応用問題に対応していかないと合格点をとることは難しい。基本知識について、その背景や意義を含めてしっかり押さえた上で、迷ったときには法令の立法主旨などを理解しておくと、解答に結び付けやすい。また、経営に関する新しい法律のトレンド等についてもアンテナを張っておきたい。
【2】採点サービス
ご自身の解答をINPUTするだけで、即時採点・合否判定ができるだけでなく、詳しい解説の模範解答集がもらえたり様々な特典がありますのでおすすめです。
もちろん無料です。
私はこの2校のサービスに登録しました。
その2校の平均点を貼っておきます。
◎LEC(8月15日7時現在)
総合 385.8
経済学・経済政策 62.3
財務・会計 51.3
企業経営理論 53.8
運営管理 63.6
経営法務 41.7
経営情報システム 59.4
中小企業経営・政策 60.5
◎TACデータリサーチ平均点(最終)
総合 384.9
経済学・経済政策 61.7
財務・会計 47.8
企業経営理論 51.8
運営管理 60.4
経営法務 40.8
経営情報システム 61.1
中小企業経営・政策 63.0
【3】必見!情報収集
◎ブログ村
中小企業診断士試験に関するブログが数多く集められています。
特に中小企業診断士一発合格道場は要チェックです。
一見の価値あり!
◎●チャンネル
情報収集と言えばなんと言っても某巨大掲示板です(笑)
信憑性は?ですが、時間潰しにはなります。
【4】中小企業診断士に関連している資格
この記事でも触れましたが、中小企業診断士の試験科目と被っている他の資格はけっこうあります。
それらの資格の関連試験科目と勉強法についての記事をいくつかご紹介します。
◎社会保険労務士(企業経営理論)
◎FP2級程度(財務・会計)
◎簿記2級程度(財務・会計)
◎販売士2級程度(運営管理)
◎QC検定2級程度(運営管理・経営情報システム)
◎行政書士(経営法務)
◎知的財産管理技能検定2級程度(経営法務)
◎ビジネスマネジャー検定(全般)
以上が【2018中小企業診断士1次試験の合格基準弾力化に関する講評・総評】経営法務の4点8点加算、全体の59%得点調整はあるのか?した。
この記事が中小企業診断士1次試験に完全合格した方にとっても、得点調整を祈るように待っている方にとっても、科目合格だけに終わった方にとっても、残念ながら玉砕だった方にとっても次のステップに向けての足掛かりになれば幸いです。
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★おまけ
★合格するための勉強法

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