※令和3年10月31日 金曜日 12:30 現在
結果は合格・不合格で天と地でしょうが、どちらにしても今日まで頑張ってきたご自身を讃えてあげてください。
そして合格された方も不合格だった方も「自分は努力したんだ」とそれぞれ心行くまで泣いてください。
社労士として今後活躍していくにしても、来年リベンジするために勉強を再開するにしても全てはこの瞬間から始まります。
みなさんのますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
ここから本題に入りますが、完全合格(選択式足きりなし、択一式40点台後半)の得点をしていた方以外は「どの科目がどのように補正されるのか?択一式の合格ラインは何点になるのか?」等、本試験当日から今日のこの合格発表の瞬間まで胃が痛くなるような時間をお過ごしになられたことでしょう。
そんな来年リベンジを誓っている方のためにも、もう一度社労士試験制度や各資格スクール予想の的中状況等について今日の合格発表(補正)を受けてまとめておきます。
もしよろしければご覧になってみてください。
▽目次▽
【1】令和3年度 第53回社会保険労務士合格基準
【2】社会保険労務士試験の択一式と選択式の合格基準
【3】主要資格学校(スクール)の予想合格基準
◎ひかる人財プロジェクト
※データに基づかない「肌感予想」とデータに基づくより精緻な「データ予想」の2パターン出させていただきますますので予めご理解ください。
<肌感予想>
◾️選択式
労一
◾️択一式
44点±1点
<データ予想>
◾️選択式
労安:ほぼ無い
労災:圏外
雇用:やや厳しい
★労一:ほぼ確実
社一:一息届かず
健保 圏外
厚年:かなり低い
★国年:ギリギリ届くかも
◾️択一式
★45点有力
44点も可能性はなくはない
◉フォーサイト
■選択式
24~25点
救済
労一・雇用:基準点引き下げの可能性高い
労安:基準点の引き下げがあるかもしれない
■択一式
昨年(44点)よりは少し低くなる
◉辰巳法律研究所
■選択式
25点
救済
労一
2点救済可能性高い
1点救済の可能性もある
国年
2点救済の可能性がある
■択一式
44点
◉ユーキャン
■選択式
23点前後
救済
労一:2点に引き下げ濃厚
国年:2点に引き下げ可能性あるか
■択一式
44点前後
◉TAC
■選択式
23点
救済
労一:2点救済
■択一式
45点
◉安全衛生普及センター
■選択式
23〜25点
救済
労一:救済確実、1点救済の可能性5割以上
雇用、社一、国年:2点救済の可能性5割程度
■択一式
43〜45点
◉フェニックスアカデミー
■選択式
■択一式
◉クレアール
■選択式
26点以上
救済:労一2点
■択一式
46点か45点だがどちらかといえば46点
◉山川予備校
■選択式
25〜26点(労災が複数解答になれば26点)
救済:労一・社一・労安
■択一式
43点
◉資格の大原
■選択式
24点
救済:労一
■択一式
46点
◉LEC
■選択式
25点
救済:労一
■択一式
46点
◉資格スクール大栄
■選択式
■択一式
◉アガルート
竹田講師
■選択式 25点
救済:労一
■択一式 43点
・池田講師
■選択式 24点
救済:労一・社一・雇用
■択一式 42点
・大河内講師
■選択式 25点
救済:労一・社一
■択一式 43点
【4】平成25〜30年度の合格基準(補正措置)
【5】受験申込者数の推移
【6】社労士試験今昔物語
過去何度かこの社労士試験を受験している方にとってはよくご存知の内容(残酷物語)ですが、今年初受験だった方の中にはご存知ない方もいらっしゃると思いますので、この6年間で社労士試験がどのような変遷を辿って来たのかを私の目線でご紹介いたします。
この記事▼でも書きましたが、社労士試験は平成27年以前は合格基準がほとんど「闇の中」でした。
どのように総得点の合格点が決められ、どのように補正科目が選ばれているのか明らかにされない正にブラックボックスの中だったのです。
昨年合格基準の考え方が厚労省から公表されましたが、その前は合格基準が全く明らかにされておらず、どのようにその合格基準が決定されているか知ることができませんででした。
▼厚労省から公表された合格基準の考え方▼
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/sankou1.pdf
以前も今のように昨年対比で考える考え方(推測)もありましたし、事実合格基準が存在していてそれが実行されていたのかもしれませんが、合格率や合格者数ありきで丁度良い合格基準が行政の裁量で決定されているといった考え方(推測)の方が主流(私の周辺では…)でした。
試験問題全体の難易度や、科目別の正解率の高低の順ではなく、丁度良い合格者の人数にするためだけの視点で合格基準が決められているのではないかとさえ見られていたのです。
それはそれは今では想像を絶するようなミステリアスな(恐ろしい)試験制度だったのです。
今のように平均点等の本試験データも公開されていなかったので、発表された合格基準が適正なのか(受験者の能力を公平に反映したものなのか)どうか確認することすらできなかったのです。
その不明瞭さに業を煮やし訴訟に踏み切った方がいらっしゃるほどなのです。
(その結果今のように合格基準が明らかになりましたが、税理士試験はじめ他の資格では合格基準や採点方法が明らかになっていないものはまだまだ沢山あります。中小企業診断士試験の2次試験は模範解答すら公開されません。)
もう踏み込んで言うと、資格学校の採点サービスデータから弾き出した発表前の予想を嘲り笑うような意外な結果が合格発表日に情け容赦なく晒され、数多くの受験者が阿鼻叫喚をきわめてきた歴史があるのです。
そんな理不尽で不条理な試験制度との悪評が定着する幕開けとなったのが当時としては戦慄の合格率(5.4%)と言われた平成25年の本試験でした。
その平成25年から順を追ってお話しします。
◆平成25年
平成25年は選択式の難易度が異常に高く、どの科目が何点救済されるのか注目されました。
中でも「労災」と「社一」が2点救済か1点救済かで喧々諤々議論が繰り広げられました。
結果は「労災」が2点救済で「社一」1点救済でした。
- 「労災」1点救済を予想した資格校:資格の大原、クレアール、 I.D.E、辰巳
- 「社一」1点救済を予想した資格校:ユーキャン、クレアール、I.D.E
逆に「雇用」は資格スクールの予想では救済されないと見られていましたが、意外にも救済されました。
- 「雇用」2点救済を予想した資格校:なし
(結果)
<択一式>45点
救済:なし
<選択式>21点
救済:社一1点、労災・雇用・健保2点
<合格率>5.4%
(トピックス)
なぜ選択式で労災が1点救済されず、雇用が2点とはいえ救済されたのか?
なぜ合格率を5.4%まで絞ったのか?(絞ったと能動的に表現するのは、当時は行政の裁量の存在を意識していたため。以下同じ。)
◆平成26年
平成26年は、難易度が低いと言われた選択式の中でも最も出来が悪いと見られていた「労一」が救済されず、発表前の予想を覆して「雇用」と「健保」が救済されました。
- 「労一」2点救済を予想した資格校:I.D.E、辰巳、その他多くが可能性を示唆
- 「雇用」2点救済を予想した資格校:なし
- 「健保」2点救済を予想した資格校:なし
択一式においては珍しく救済科目(「常識」)が出ました。
- 「常識」を3点救済した資格校:I.D.E
また択一式の合格ラインがかなり高くなるのではないかと予想されましたが、意外に低く落ち着きました。
- 択一式の合格ライン46点以上を予想した資格校:TAC、LEC、資格の大原、クレアール、辰巳
(結果)
<択一式>45点
救済:常識3点
<選択式>26点
救済:雇用・健保2点
<合格率>9.3%
(トピックス)
なぜ選択式で労一が救済されず、ほぼ注目されなかった雇用や健保が救済されたのか?
なぜ高い合格点が予想された択一式が予想外に低い合格点で決着したのか?
なぜ合格率を一気に9.3%まで上げたのか?
◆平成27年
平成27年は史上最低の合格率2.6%となった年度です。
この年は何と言っても選択式でほとんどの資格校が予想した労災が救済されなかったことに尽きます。
未だになぜ労災が救済されなかったのかは闇の中です。
- 「労災」2点救済を予想した資格校:TAC、LEC、資格の大原、ユーキャン、クレアール、I.D.E、辰巳、山川
(結果)
<択一式>45点
救済:なし
<選択式>21点
救済:労一・社一・健保・厚年2点
<合格率>2.6%
(トッピックス)
なぜ選択式で労災が救済されなかったのか?
なぜ合格率を一気に2.6%まで絞ったのか?
◆平成28年
平成28年は厚労省から「合格基準の考え方」が公表された年です。
この年は択一式の合格基準点が予想以上に低かったのが特徴です。
- 択一式の合格ライン43点以上を予想した資格校:TAC、LEC、資格の大原、ユーキャン、クレアール、I.D.E、辰巳、山川
また択一式の救済が3科目も行われたのに対し、選択式の救済が2科目に止まったということも発表前に予想を裏切りました。
- 択一式の救済を明確に予想した資格校:なし
- 選択式の「労一」「健保」以外の救済(特に雇用)を予想した資格校:TAC「雇用」、LEC「雇用」、資格の大原「雇用・社一・厚年」、I.D.E「雇用・社一」、辰巳「雇用」、山川「雇用」
(結果)
<択一式>42点
救済:常識・厚年・国年3点
<選択式>23点
救済:労一・健保2点
<合格率>4.4%
(トピックス)
合格基準の通り
◆平成29年
平成29年は合格率がまた下がるのか、ある程度安定するのかが注目された年でした。
結果的には前年の4.4%から6.8%にアップし合格者は一息つくことができました。
この年は択一式の合格基準点が前年より3点も高かったのが特徴です。
また択一式「厚年」の救済は少し意外でした。
- 択一式の合格ライン45点以上を予想した資格校:i.d.e、辰巳、安全衛生、クレアール、LEC
- 択一式の「厚年」救済を予想した資格校:i.d.e、辰巳、クレアール
また選択式の救済は「雇用・健保」の2科目でしたが、本命「健保」は順当に補正が行われましたが、ついで救済予想が多かった「労一」がまたしても涙を飲み、あまり注目されていなかった「雇用」の救済はちょっと驚かされました。。
- 選択式の「労一」を予想(してハズ)した資格校:i.d.e、辰巳、安全衛生、フェニックス、クレアール、LEC、資格の大原、山川
- 選択式の「雇用」を予想した資格校:なし
(結果)
<択一式>45点
救済:厚年3点
<選択式>24点
救済:雇用・健保2点
<合格率>6.8%
(トピックス)
合格基準の通り
◆平成30年
平成30年も合格率が下がるのか、上がるのか今後を占うような年でした。
結果的には前年の6.8%から6.3%にダウンしやはり甘くないな〜という印象でした。
この年は択一式の合格基準点が前年と同じ「45点」だったのが特徴です。
また想定外な救済はありませんでした。
- 択一式の合格ライン45点以上を予想した資格校:i.d.e、ユーキャン、TAC、安全衛生、山川予備校、資格の大原、LEC
また選択式の救済は「社一・国年」の2科目でしたが、絶対本命「国年」は順当に補正が行われましたが、難易度が高いとみられた「労一」がまたしても涙を飲み、「労一」で3点取ることがこの社労士試験を突破する最大のハードルであることが浮き彫りになりました。
- 選択式の「労一」を予想(してハズ)した資格校:辰巳、ユーキャン、安全衛生、フェニックス、クレアール、資格の大原、LEC
- 選択式の「社一」を予想した資格校:辰巳、ユーキャン、安全衛生、クレアール、資格の大原、LEC
(結果)
<択一式>45点
救済:なし
<選択式>23点
救済:社一・国年2点
<合格率>6.3%
(トピックス)
合格基準の通り
◆令和元年
令和元年は合格率が6%台で落ち着くのか注目された年でした。
結果的には前年の6.3%から6.6%にアップし「低合格率時代」が再来する可能性が低くなった印象でした。
平成27年の2.6%、平成28年の4.4%の「低合格率」傾向は終焉し、安定期に入ったとみて良さそうです。
この年は択一式の合格基準点が「43点」でやや低めの得点となりました。
また救済科目はありませんでした。
- 択一式の合格ライン43点以上を予想した資格校:i.d.e、辰巳、TAC、安全衛生、フッニックス、クレアール、資格の大原、LEC、アガルート
また選択式の救済は「社一」のみ順当に補正が行われました。もしかすると補正されるかもしれないと見られた「労一」が案の定補正されず、「労一」で3点取ることがこの社労士試験を突破する最大のハードルであることが浮き彫りになりました。
- 選択式の「社一」を予想した資格校:i.d.e、辰巳、ユーキャン、TAC、安全衛生、フェニックス、クレアール、山川予備校、資格の大原、LEC、アガルート
(結果)
<択一式>43点
救済:なし
<選択式>23点
救済:社一2点
<合格率>6.6%
(トピックス)
合格基準の通り
令和3年の結果が厳格に合格基準通り決着するのかどうか、この記事を書いている時点ではまだ不明ですが、合格発表後にじっくりと検証していきます。
以上が【社労士試験2021ついに合格発表!】どうなる選択式の補正科目!択一式の合格ライン!でした。
末筆になりましたがこの小ブログ(動画)に本当にたくさんの方にお越しいただきこの場をお借りして御礼申し上げます。
また思うように更新ができず皆様のご期待にお応えできなかったこともこの場をお借りしてお詫び申し上げます。
今はただただみなさんの合格を心より祝福したいと思います。
また残念ながら涙を飲んだ方も、流した涙が多ければ多いほど実力差は紙一重だったはずですので、リベンジされる方は来年は補正の有無に惑わされることのない「完全合格」目指して頑張ってください。
小ブログがその一助になれれば幸いです。
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